歯科衛生士のコーナー
24年11月
Systema SP-Tジェル(システマ エスピーティージェル)の紹介
こんにちは、ようやく秋めいてまいりました。秋と言えば食欲ですね。
普段の生活や外食でマスクを外す機会が多くなり、自分や他人のお口が気になるようになってきたかと思います。生協王子歯科で現在販売中のチェックアップ歯磨剤は、虫歯予防に重点をおいており、歯周病予防には特化していませんでした。患者さんやスタッフの要望もあり、この度、歯周病・虫歯・口臭予防に効果のあるジェルを導入したので紹介したいと思います。ライオン歯科材株式会社によると、今の歯周病ケアは、「殺菌+歯肉の防御力を高めること」を考えているそうです。
<システマSP-Tジェルの特徴>
4つの薬用成分を配合し、歯周病を防ぎます。
- 1.ビタミンE(酢酸トコフェロール)配合で歯肉を防御します。
- 2.トラネキサム酸配合で歯肉の炎症、出血を抑制します。
- 3.β-グリチルレチン酸配合で歯肉の炎症を抑制します。
- 4.IPMP(イソプロピルメチルフェノール)が、バイオフィルムの内部まで浸透・殺菌して
歯肉炎を予防します。
また+2つの薬用成分で、歯周病だけでなく、虫歯や口臭のトラブルを防ぐ優れものです。
- 5.ラウロイルサルコシンナトリウムが浮遊菌を殺菌し、口臭を予防します。
- 6.フッ化ナトリウム(1450ppmF)配合で、う蝕の発生、進行を予防します。
このジェルは粘性の高いジェルなので、歯肉や歯周ポケットに薬用成分が長くとどまります。また、たくさんつけても歯磨き粉に入っている研磨剤が無配合なので歯を傷つけることなく、お口の口臭・歯周病・虫歯などのトラブルをこの1本で予防することができます。この薬効効果を発揮するためにSP-Tジェルを歯ブラシにつけて歯を磨くだけでなく、歯肉も優しくマッサージしましょう。また歯間ブラシにつけて使用するのもおすすめです。患者さんから1ケ月間使用し、歯肉の炎症が軽減したという方や、以前より出血しなくなってきたという声を聞き、使用した効果がはっきりと分かるようになってきたとの声をいただいています。
是非皆さんもお試し下さい。
24年9月
梅雨の宮古島の楽しみ方
5月の梅雨時期の宮古島に旅行してきました。宮古島の梅雨は、関東とは違いスコールのような土砂降りがあったと思ったら、急に晴れたり曇ったりで忙しかったです。
でももう海水は暖かく、海に入るには快適でした。海の中は雨が降っても関係なく、サンゴやカラフルな魚を楽しむことができます。
私は宮古島を訪れたら必ずシュノーケリングをしています。
今回は、宮古島の有名なシュノーケリングスポット、八重干瀬についてご紹介したいと思います。
八重干瀬(やびじ)は、沖縄県宮古列島・宮古島の北方沖約15kmの海域に広がる日本国内で最大級の卓状サンゴ礁群の名称です。
宮古島本土と池間大橋によって繋がる池間島の北東の海上に位置し、サンゴ礁群の規模は南北に約17km、東西に約6.5kmの広大な面積を誇ります。
主ビシ・大ビシと呼ばれる8つの大規模サンゴ礁と属ビシと呼ばれる小規模サンゴ礁などおおよそ100以上のサンゴ礁によって形成され、その巨大なサンゴ礁群とアカネハナゴイなど色とりどりの魚たちが生息する宮古島の海は「日本のグレートバリアリーフ」と言われているそうです。
今回は沢山ある八重干瀬のシュノーケリングポイントの中で3つのポイントでシュノーケリングをしました。
私がツアーに参加した日の海は少し荒れていて波が高かったのですが八重干瀬から1番近い島、池間島からのツアーだったので船に20分程乗り到着しました。船酔いしやすい私でも酔わなかったです。
以前参加したツアーでは、良部島からの出発で伊良部島から八重干瀬までは30分〜40分程船に乗り、船酔いしてしまう方が多かったです。
八重干瀬に行く際は池間島からのツアーを個人的にはおすすめします。
その日の潮の流れで入れるポイントが変わるので何度も訪れたくなる場所です。
宮古島を訪れた際にはぜひ行ってみてください。
24年7月
〜健診でお口の中をチェックしてもらいましょう!〜
夏になりました。梅雨もそろそろ明けてくるころですね。
これから厳しい暑さが続くと思うとうんざりとしますが、お家にいるときはしっかりと冷房をいれ、水分を取って熱中症にならないようにしてください。
6月から北区歯周病検診と口腔機能維持向上健診が始まっています。対象の年齢は以下のかたです。
@歯周病検診
区内にお住まいの20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の方。
(令和7年3月31日現在の年齢)
ただし、勤務先等において受診機会のある方及び入院加療中の方は受けられません。
A口腔機能維持向上健診
区内にお住まいの80歳及び75歳以上かつ奇数年齢の方。
(75歳、77歳、79歳、80歳、81歳、83歳、85歳、87歳、89歳、91歳…)
(令和7年3月31日現在の年齢)
ただし、勤務先等において受診機会のある方及び入院加療中の方は受けられません。
「歯医者には歯が痛くならないと行かない」という方は多いと思いますが、痛みが出るころには虫歯が神経まで達していることがあり、そうなると神経を取る治療をしなければなりません。神経を取った後は土台の形を作り、形を整え、かぶせ物の型採りをし、ようやく被せ物が入る、と歯科に来る回数が掛かります。
でも虫歯を早期に発見できれば削って詰めるだけで終わることができます。
歯周病は歯と歯ぐきのすき間に細菌が侵入し、歯を支えている骨を溶かし最終的に歯がぐらぐらになり、抜けてしまう病気です。歯周病の治療は歯垢(プラーク)の除去、そして歯ぐきの上の歯石と歯と歯ぐきの中に潜っている歯石の除去です。
歯周病は10年20年と年月をかけてゆっくりと進行していきます。
健診でお口の中をチェックしてもらい、歯石があったら次回、歯石取りの予約をして、虫歯があったら、次回、虫歯の治療を予約してもらえば、健康が保てると思います。
歯石が大量にあり、歯ぐきが腫れた状態だと食べ物の味付けが濃くないとおいしくないと感じるそうです。歯石をとり、歯ぐきが引き締まり、清潔な状態だと薄味でも美味しく感じるので、塩分を取りすぎることがなく、体にいいと思います。
北区から健診のお知らせが来ている方はぜひご活用ください。
6月後半から待合室、診療室のロールカーテンの色が変わりました。
診療室は落ち着いたピンク色で気持ちを晴れやかにし、幸福感や安心感を与える色になります。歯科治療は苦手な方が多いと思いますが少しでも気持ちが落ち着くことを願います。
24年5月
花々が一斉に咲きあちこちから良い香りがただよってきます、過ごしやすい季節になりました。
生協王子歯科では4月から新たなメンバーも加わり、新緑の香りの様なさわやかな新年度のスタートを切りました。
今年度も皆さまの健康を支える力になりたいとスタッフ一同張り切っております。
よく患者さんに質問を受ける歯磨き剤のお話を今回はしていきたいと思います。
そもそも歯磨き剤とは何なのでしょうか?
歯をみがくのに必要な物、とお考えの方が多いと思いますが、実は歯をみがいているのは歯ブラシです。歯磨き剤なしで歯をみがいても汚れの取れ方はさほど変わりません。
何の為に使っているのでしょうか?秘密は成分です。
歯磨き剤の裏に書いてありますカタカナがそれですが、なんのことやら?
簡潔にお話をしていきます。
清掃剤(研磨剤)・汚れやステインなどの歯の表面の汚れを落とす。
近年問題視されています。
湿潤剤・歯磨き剤に適度の湿り気を与える。
パサパサの歯磨き剤だとお口に広がりません
発泡剤・口中に歯磨剤を拡散させて洗浄し、汚れを除去する。
泡立つとみがけた気分になります
粘結剤 保存料・粉体と液体成分とを結合させ、適度の粘性を与える。品質を保つ。
歯磨き剤の形を保つのに必要です
香味剤・香味の調和を図る。爽快感と香りをつけ、歯磨剤を使いやすくする。
歯磨き剤を使う理由の1番ではないでしょうか、さっぱりします
これが基本でそこに薬用成分が乗っかってきます。
薬用成分とは求める効果によってちがってきます。
虫歯を防ぎたければモノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム
歯周病予防なら塩化クロルヘキシジン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム
・・・・という風にカタカナが続いていきますが、大抵はパッケージに書いてありますのでご安心を。
気に入った薬用成分が入った歯磨き剤を使えば絶対安心!ではありません。
薬用成分はお手伝いをしてくれる存在と理解してください。
フッ素入りの歯磨き剤に関しては注意点があります、フッ素入りの歯磨き剤が流れてしまうので、うがいは控えめにしてください。成分が流れてしまいますよ。
もう一つ、よく聞くのが歯磨き剤を腫れた所に塗って治ったと、薬ではないのでお勧めできません、なぜなら御覧の様に↑様々な成分が入っています、食品ではないので毎度飲み込んでしまうのも心配ですね。
硬い話ばかりだったので、ここで雑学を、歯磨き剤の歴史は案外と長く
紀元前1500年頃になると、エジプトには歯みがき剤の記録が現れます。
4世紀頃のエジプトでは食塩・黒胡椒・ミントの葉・アイリス(アヤメ属)の花を混ぜ合わせた粉末の歯磨剤を使用していたそうです。
日本では江戸時代初期に丁字屋喜左衛門が江戸で「丁字屋歯磨」「大明香薬」と呼ばれる歯磨き粉を発売しました。この歯磨粉の成分は、房州の海岸で採れる琢砂という非常に目の細かい研磨砂に、丁字や龍脳などの各種漢方薬を配合したもの。
そして末期にはどこからともなく聞こえる江戸の名物、朝の「おはよう、おはよう」それは歯みがき粉売りです。「おはようの歯みがき売り」は、江戸末期には、市中だけで数百人に上ったといわれます。歌舞伎役者の物まねや寄席の芸を見せて人びとの笑いを誘い、評判になる人気者もいました。
歴史が紀元前にまでさかのぼるとは驚きです。
漢方や砂とか黒胡椒とか昔の歯磨き剤は味も舌ざわりも良くはなさそうですね。現代は随分使いやすくなりました
たくさんの歯磨き粉売りがいた江戸時代は、口の中に関心が深い人が多かったのでしょう。
ちょっとのぞいてみたい気がします。使うのは・・・心の準備が整ったら、にします。
使いやすい現代の歯磨き剤、皆さまも上手にお付き合いください。
出典:ウイキペディア 潟宴CオンHP
24年3月
歯石取りが一通り終わったのに、なぜ歯のクリーニングを続けなければならないの?と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
今回はそんな疑問をわかりやすく説明していこうと思います。
歯周病の進行度によって歯石を取っても、深い歯周ポケットが残ってしまうことがあります。歯周ポケットとは歯と歯肉の間の溝です。
健康な歯周ポケット(歯肉溝)の深さは0.5〜2mmですが、4mm以上の歯周ポケットがある場合は注意が必要です。歯周ポケットが深くなればなるほど、細菌は溜まりやすく繁殖しやすくなります。
2oと4oの歯周ポケットでは細菌の数は1万倍違うと言われていますので、歯周病が進行するリスクも高くなるのです。
クリーニングの間隔を決める際、歯周ポケットの深さやご自身での歯磨き(プラークコントロール)がしっかりできているか、また歯肉の炎症(歯肉の腫れ、出血、膿が出ている)はないか総合的に考えて決めていきます。
歯周ポケットが少し深くても、ご自身での日々の歯ブラシがしっかりできていて炎症もなく安定していれば3〜6ヶ月位空けることもあります。またその反対に歯周ポケットも深く、ご自身での歯ブラシが上手くできていない状態で歯肉に炎症が多ければ歯周病が進行するリスクが高いので、1ヶ月に1度は来院してクリーニングをするようにおすすめする事もあります。
このように患者様一人ひとりのお口の状態によってクリーニングの間隔を決めているのです。
疑問に思うこと、質問等があれば是非スタッフにお尋ね下さい。
24年1月
1月・2月号は去年の11月2日に開催したミニ学習会の様子を報告します。
生協王子歯科運営委員会が主催した学習会で久しぶりに実参加にて行いました。
コロナ禍でなかなか集まって活動することは困難でしたが、換気と体温測定、アルコール消毒を徹底して感染対策に気をつけながら行いました。
オーラルフレイルや口腔機能低下症について学び、オーラルフレイルのセルフチェックを行いました。
また、飲み込む力をみるゴックン検査や噛む力と舌の力をチェックして自分のお口の機能を知る体験もしてもらいました。
食事をするときに無意識に行っている「噛んで飲み込む」という動作ですが、実は歯で噛んでいるだけではなく、唇や舌、頬、顎などの筋肉を使いながら行っている事を再認識していただけたと思います。
次に実際にオーラルフレイルを予防するトレーニングを一緒に行いました。みなさんとても一生懸命にトレーニンングしていました。
お家でも毎日トレーニングを続けて、いつまでも美味しく安全に食べていただけたらと思います。
最後にお口の機能を使ったゲームを行いました。
絵に合った文字をストローで吸い上げて絵に
合わせていくゲームです。
簡単なようでなかなか思うように吸い上げられず
何度もチャレンジしながら笑いも起こり楽しく
行えました。
参加して下さった方と共に職員も一緒に楽しみ、
あっという間に時間が過ぎてしまいました。
☆最近「舌や頬を噛むようになった」とか「滑舌が悪くなった」、「食事の時にむせるようになった」などお口のちょっとした変化に気づいたら歯科医師や歯科衛生士に気軽にご相談下さい。
早めに気づきトレーニングなどを行い対応することで健康に近づくことができます。