歯科衛生士のコーナー
14年12月
こんにちは。12月担当の渡辺です。
今年も残り後1ヶ月になりました。
1年経つのは早いですね。
お口の健康管理はできていますか?悪いところはしっかり治して新年を迎えましょう。
痛い歯や詰め物(銀歯)がはずれたまま放置していませんか?
歯石で歯ぐきが腫れてはいませんか?
詰め物がはずれた状態
歯石が付いている状態
詰め物がはずれて痛くないからといって放置しておくと、虫歯が進行してしまいます。
虫歯が進行して神経まで到達すると神経を取ることになります。
虫歯になっていないようならはずれた銀歯を戻してつけることができるので、なるべく早く銀歯を持って歯科医院を受診しましょう。
また、歯石をそのままにしておくと、歯周病が進行してしまいます。
歯周病が進行すると、歯がぐらぐらして抜けてしまいます。
お口の健康を守り、いつまでも何でも噛める歯でいられるように健康維持を心がけましょう。
14年11月
11月担当の東野です。
夕方、辺りが暗くなるのも早くなり、あんなに毎日暑かったのに肌寒く感じる日も増えてきました。
秋から年末にかけては何かとイベントも多いかと思いますが・・・
11月8日は何の日かご存知ですか?
1(い)1(い)8(歯)で「いい歯の日」です。
毎年、この「いい歯の日」付近の日曜日に、「保険で良い歯を」東京連絡会では浅草で宣伝活動を行っており、保険診療で安心して良い歯を入れられるようにするため街の皆さんに署名をお願いしています。
良い歯と一言でいっても思い浮かべる歯は人それぞれ違うかと思います。
かぶせ物も、昔は金歯が富の象徴とされていたそうですが、今はより天然歯に近い色のかぶせ物にしたいと考える方が増えているのではないでしょうか?
今年4月の保険改訂で、歯科用CAD/CAMシステムを用いたかぶせ物が小臼歯で保険適用されることになりました。
今まで前歯(真ん中から糸切り歯までの上下6本ずつ)しか保険で白いかぶせ物が入れられなかったのですが、それより奥2本の歯にも入れられる場合も出てきました。
保険で出来るようになったとはいえ、この機械はどこにでもあるわけではないので、まだ作ることのできる技工所が限られています。
また、先生方も機械で読み取ってもらうために歯を削るのに違う道具を使う必要があったり、金属のかぶせ物と比べて歯を削る量も変わったりします。
他にも強度や予後など、いろんな面で適さない場合もあります。
先生としっかり相談して、色だけで選ぶのではなく、お口に合ったものを選ぶことが大切だと思います。
医療技術が進んできて、治療の選択肢は増えますが、どんな良い材料も「人工の物」です。
天然の歯には敵わないと思いますので、まずはご自身の歯を何でも噛める「良い歯」の状態で保っていきましょう。
14年10月
咬合力について
10月になりました。秋になり過ごしやすい気温となりました。秋と言えば運動会やスポーツを思い浮かべます。
スポーツをする時はしっかりと奥歯を噛みしめるとパワーがでます。
その理由は噛むバランスが歯列全体に分散し、噛むという情報が脳にたくさん伝わります。
すると脳が活性化し脳から筋肉へ強く動かす指令がでるからです。
通常食事をする時の噛む力は、男性が60s 女性は40s です。
食べ物を噛む力がなくなってくると、食事量が減り十分な栄養をとる事が出来なくなります。
歯が無くなる原因としては虫歯や歯周病があります。
両方とも細菌感染による病気なので、お口の中を清潔に保つ事で予防する事ができます。
虫歯で歯がしみたり、痛んだり、また歯周病で歯が動いて食べ物が噛みづらくなった、など症状があるようでしたら一度お電話をください。 受診することで痛みの原因はなにか・・悩みを解決する事ができます。
歯がなくなってしまったところは義歯やブリッジにして噛めるようにし、歯石や歯垢を除去する事で歯周病の進行を遅らせる事ができます。
かみ合わせが良くなると姿勢もよくなり脳にも刺激が伝わるので集中力や頭の回転もよくなります。
秋は食べ物もおいしい季節です。良く噛んで食べて体をうごかすのもいいですね。
10月担当 林
14年9月
インプラントの前準備とオペ
こんにちは9月担当の山アです。
今月は当歯科でのインプラントオペの前準備〜埋入までの流れを追っていきたいと思います。
インプラントチェックリストに沿ってDrが問診していきます。
(生活習慣病のある方や心臓に欠陥のある方やヘビースモーカーの方など適応しない方もいます。)
チェックリストで問題のなかった方は、次に王子生協病院の放射線科で顎のCT画像を撮影しにいっていただきます。
そのCT画像をもとにDrがどこの部分にどのくらいの太さのインプラント体をどのくらいの長さで埋入するか決めていきます。
また、ステントというマウスピースをいれて、埋入する位置を平面上にみて決定する為に診療室で顎のレントゲンも撮影します。 オペの一週間前にDrからオペの説明と投薬の説明があります。
前準備としてオペ1週間前に滅菌するものと必要なものがそろっているかチェックリストに沿ってチェックしていきます。
オペ当日はオペ1週間前に投薬された薬を服用していただき、歯科衛生士とDrがお口の清掃を念入り行い、局所麻酔をしてからオペ室に移ってインプラント治療が始まります。
インプラントの埋入時間は本数によって異なりますが、1時間30分〜2時間位です。オペ中は滅菌布を顔から被せるので暗いところが駄目な方や恐怖感がある方は向いていないようです。
オペ後は数日中に消毒に来ていただき、埋入した傷口の消毒と経過を確認します。
埋入後、1週間〜10日経過したら縫合した糸を抜糸します。
インプラントを埋入してから3ヶ月〜4か月経過し(個人差があります)インプラント体と歯槽骨が結合したことを確認したら、上部構造を作成する為に歯型を採得し、上部構造の装着になります。
上部構造装着したら終わりではなく、インプラントのメインテナンスを当歯科では行っています。
インプラントとその上に支えるアパットがゆるんでないか、上部構造が外れかかっていないか、またインプラント周囲炎になっていないか、インプラント周囲が清掃できているか等、毎月確認していきます。
インプラントを希望される方や興味のある方は診療スタッフに声をかけて下さい。 改めて説明させていただきます。
14年8月
口腔内写真の変遷
こんにちは!8月担当の伊東です。
今月は当院の口腔内写真の進化(?)をお知らせします。
口腔内写真はレントゲンとは違います。
歯や歯茎を見たまま撮影できるので、症状の経過を見るのに大変役立ちます。
<1994年>
生協王子歯科の前進の「王子生協病院歯科」が開設してもう20年以上も経ちました。
当時はまだフィルムカメラでスライドにして、スクリーンに映写し学習会などをしていました。懐かしい・・・
フィルムカメラの欠点は、現像できるまで綺麗に撮れたか分らないこと!失敗しても撮り直しがきかない。現像代がかかる。スライドの保管の手間などなど。
<2005年>
ついにデジタルカメラになりました。しかし口腔内専用ではなかったためマクロ撮影や露出などの設定にかなり困った記憶があります。慣れてみるとその場で確認し取り直せるって!なんて素晴らしいの!!と感激でした。
撮影後はプリンターで出力し、カルテにはさんで保管。患者さんにも気軽に見せることができるようになりました。
<2014年>
2007年に「生協王子歯科」開設。レントゲンがデジタル化したので、口腔内写真もデジタルで保管したいな〜という願望がありました。7年経ってついに実現!
これにより印刷の手間が省けて、カルテの軽量化にもつながります。しかも鮮明な画像が
すぐにパソコンで見ることができるようになりました。
先月から開始したので今後お目見えする機会があるかもしれませんね。
14年7月
7月担当の本橋です。
暑い季節になってきました。最近患者さんによく聞かれる事があります。
診療台の脇にあるうがい用のお水を指して
「このお水飲めますか」
当院の水道はすべて上水道から引いており、もちろん飲んでいただいても支障はございません。
更に、診療台の中に濾過装置がついており、水道水を直接お飲み頂くよりは、安心してお飲み頂けるかと思います。ぬるい温度にしてありますので、この季節には向かないかもしれませんが・・・
歯科とお水と言うのは切っても切れない関係にあります。
うがいの水もですが、歯を削る時には必ず水が必要です。なぜかと申しますと、削る機械を回すのに水を使っているのと、歯を冷やしながら削らないと歯に対するダメージが大きい場合があるからです。それから歯のお掃除の時に使う超音波も水に振動を与え、その力で歯石をくだくので水がなければ効果はでません。
歯型を取るにも水で粉を溶かして練り上げますし、当院で器具の洗浄に導入しているウォッシャーディスインフェクターも運転1時間30分の間に大量に使います。滅菌には水蒸気を利用した機械を使っています。
なにより患者さんのお口を直接触る私たちスタッフの手指消毒には、流水での洗浄が必要不可欠です。
電気・水道どちらが欠けても歯科診療には支障をきたします。普段から、大切につかっていきたいですね。
水分補給もお忘れなく。
14年6月
こんにちは。6月担当の渡辺です。
読売新聞に気になる記事が掲載されていました。
<5月18日の読売新聞の記事に関して>
タービン
残念な事に歯を削る医療機器を使い回している歯科医療機関が約7割に上る可能性があるというものでした。
当院では歯を削る全ての機器・ドリルの先端、歯石を取る機器を患者さんごとに必ず滅菌をしています。
ハンドピース(歯を削る機器)は歯を削る際に血液や唾液を吸い込むのでそのまま別の患者様に使用すると院内感染の原因になります。
外側を消毒しても問題は内部の残留物なので使用後は高温で滅菌することが必要不可欠です。
当院ではハンドピース等の数を増やし高圧滅菌器を使用しています。
<高圧滅菌器「プチクレーブ」>
*高圧滅菌器を使用することで、内部までしっかり滅菌できるのでウィルスや細菌を死滅させることができます。
プチクレーブ
プチクレーブ中
ハンドピースは高額なのでもちろんメンテナンスをしっかり行って繰り返し滅菌をしています。
<自動注油洗浄器「ケア3プラス」>
*手間がかかる工程を自動で行ってくれる機器なので短時間で洗浄と注油ができます。
ケア3
ケア3中
14年5月
少し前のことになりますが、2/26に神谷支部の「新春のつどい」に事務の上城さんと参加させていただきました。
今回は、初めて組合員さんの前で講師としてお話させていただきました!!!
私は大勢の前で話すことが苦手なのですが、みなさまが温かく見守って下さり、無事終えることができました。
内容は、事前に組合員の方からリクエストをいただき、効果のあがるブラッシング法として普段の歯みがきのポイントをお話したのですが、資料を作るにあたって歯みがきの歴史も調べてみました。
今では当たり前のようになっている歯みがきですが、人間はいつから歯みがきをしていると思いますか??
なんと一万年前の古代エジプトに記録が残っているそうです。歯の治療もしていたとか・・・。歯に金が詰まっているミイラもいたそうです。
日本には仏教とともに歯を磨く木が伝わり、お坊さんが身を清めるために行ったのが始まりだそうです。
木で磨いていたと思えば現代のハブラシはなんて進化した道具でしょうか!!
新年度が始まり1ヵ月が経ちました。
消費税も4月から8%となり、毎日の生活にも大きな変化がありました。
私も歯科衛生士4年目に突入。
「石の上にも3年」「3日坊主」など「3」が付く時は節目の時期のことが多いように思います。
4年目からまた成長していくためにも、改めて基本をしっかり!、そして今できることを確実にしていきたいと思います。
14年4月
春は新しい出会いがありたくさんの人と話す機会が多くあると思います。
そんなとき明るい笑顔であれば「この人はとてもいい人かもしれない」と第一印象は良くなると思います。
笑顔といえば口角を上げて、白い歯をのぞかせると、笑顔がつくれます。
口をつぼみがちだと、「この人はあまりしゃべってくれないかも」と思われるかもしれません。
最初の写真ですが、左右、治療してかぶせ物をしたところがあります。
一つは保険治療の銀色のかぶせ物で、もう一つは自費治療で白いかぶせ物になります。
向かって左は保険の銀色になります。
向かって右は自費治療のかぶせ物で¥54600円 消費税¥4360円です。
自費になるので高額になりますが、笑ったりしたときの口の開け具合をみて、銀がいいのか白い方がいいのか、鏡をみてみるものいいかもしれません。
自費のものでも堅いプラスチックのものから瀬戸物で覆う物まで値段も替わってきますので、白い物にしたい場合は先生や歯科技工士、歯科衛生士、歯科助手、受付の人にご相談ください。
14年3月 〜歯周病と糖尿病の密なる関係?!〜
王子生協病院で1月25日に「糖尿病教室」が開催されました。
継続して行われていたようですが今回初めて歯科も加わることになり、知識不足の私としてはあわてて勉強した次第であります・・・(ここだけの話)
しかし勉強するにつれて、この「歯周病と糖尿病の関係」が本当に密接に関係していることがわかりました。ただ、参加者の皆さんにわかりやすく説明するにはどうしたらよいかとだいぶ悩んでしまいましたね。
当日の参加者は12名くらいでしたか?
リハビリ課の「ウォーキングを見直してみよう」と栄養課の「難しく考えないで!!食事療法」の前座??
ほとんどの皆さんが糖尿病と口の中に関係があるのかとキョトンとした表情でした。
やっぱりそうですよね。
要約しますと、
糖尿病の患者さんは、唾液の分泌が少ないのでプラークが付きやすくなります。細菌に対する抵抗力も少なく、歯周病が悪化しやすくなっています。歯周病になると体内で悪玉物質が作られてインスリンの働きが妨げられ、血糖コントロールが悪くなるようです。
糖尿病は歯周病を悪化させる!
歯周病の人は血糖値が下がりにくい!
そして糖尿病が悪化する・・・ この悪循環を断ち切るために糖尿病の治療のためにも歯医者へ行きましょう!!
14年2月 〜知覚過敏について〜
それは、象牙質知覚過敏症といって歯ブラシ時の刺激や冷温熱刺激によって起こる一過性の歯の痛みです。
この痛みは時に虫歯の痛みと勘違いする時があります。
虫歯の場合、エナメル質や象牙質の損傷や歯髄の炎症が起こったりしますが(写真【1】)、
写真【1】
虫歯などの病変がない場合にみられるものを象牙質知覚過敏症といいます(写真【2】)。
写真【2】
- 知覚過敏の予防法
- 硬い歯ブラシや開いた歯ブラシを使って乱暴なブラッシングを行うことで 知覚過敏を起こすので歯ブラシは極細や柔らかめを使用し、開いた歯ブラシ は使用しない。また歯磨き粉もつけすぎないことです。
適切なブラッシング圧は200g以下がいいようです。300gを超えると痛みや 出血が起こります。 また酸性飲料物の多量摂取によってエナメル質が溶解して知覚過敏になる 事もあります。酸性飲料物は長時間かけて飲まないようにしましょう。
あと、噛みしめや歯ぎしりによっても知覚過敏を引き起こすことがあります。 - 知覚過敏になってしまったら
- 知覚過敏が軽度な場合は、歯髄の興奮を抑えるような歯磨剤を使用することで(硝酸カリウム)しみる痛みを感じにくくさせます。
これなら自分でもできそうですね。
知覚過敏が軽度な場合は、当歯科ではシュウ酸が主成分の知覚過敏抑制剤を 使用しています。
重度になってくると、歯の修復処置や歯の神経を抜髄する処置を行うことがあります。知覚過敏は、個人差があり原因はそれぞれですが知覚過敏が起こっていると感じたら早めに歯科医師に相談することをおすすめします。
歯科衛生士 山崎 裕美
14年1月
ゆっくりとお正月を過ごせましたでしょうか?
さて、新年初めの歯の話は・・・「口臭について」お話してみたいと思います。
まず、口臭の原因は
(1) 生理的な口臭 (2)病的な口臭 (3)食べ物による口臭 と3つが大きな原因となります。 では、予防法は・・・
- (1) 生理的な口臭
-
- 起床時にうがい又は歯磨きを行う
- 唾液が分泌されるよう 食事をとる
- (2)病的な口臭では
-
- 口の中の病気・・・虫歯や歯周病が原因の場合
歯垢や歯石などが原因なので、それらを 取り除く(正しい歯磨きや歯石除去) - 気管・消化器系の病気・・・慢性胃炎などが原因の場合
病気の治療、医師への相談
- 口の中の病気・・・虫歯や歯周病が原因の場合
- (3)食べ物による口臭では
-
- ニンニク・ニラ・ねぎ・らっきょう・納豆など くせのあるものに多い。時間がたてば消える。
- タバコとお酒は体内で取り込まれてから肺で吐き出されるので臭いが長く続く。
食べ物による口臭を予防するのは難しいですが、ミントガムや洗口剤などを使用すると、一時的には抑えられると思います。
歯垢は歯磨きで除去できますが、歯石は歯磨きでは除去できません・・・。定期的な歯石除去を歯科医院で行いましょう。
お正月にいろいろな物を食べて、口の中も胃の中も疲れてきた頃かと思われます。
年の初めに歯の健康チェックでも いかがでしょうか・・・
常松