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研修医日記

15年3月の研修医日記

一年はあっという間です
一年はあっという間です

 すっかり春らしい温かい季節となりました。この時期は色々イベントごとも多く別れと出会いの季節でもあります。このブログも人知れず更新しておりましたが、今回で最終回となりますので、私もそうでしたが研修先を探していてこのブログを見つけた人達に向けて最後は書いていきたいと思います。
なぜ、生協王子歯科と小豆沢歯科での研修を希望、もしくは興味を持ったかを考えてもらいたいです。
例えば、出身大学で研修する場合、自分のよく分かっている環境や人材が集まっており、研修を進めていく上で失敗するリスクは少ないと考えられます。また、多くの同期の研修医と一緒に研修を進めていくことで多くの情報を共有することが出来、研修後の進路についてより多くの情報を入手しやすいです。一般歯科ではなく口腔外科をより学びたい場合は、口腔外科のある病院への研修を志望します。口腔外科で、内科領域など複数の疾患を有する患者に対する診療を他科と連携して行うことにより、全身管理を理解・習得することができます。これからの超高齢社会に向けて口腔内だけでなく全身管理を学ぶことはとても必要不可欠なことであります。

しかし、そのような選択肢を選ばずにこの研修先に興味を持っている、それは他にしっかりとした将来のビジョンを描くことが出来ているからではないでしょうか?でなければ、少し見学して話を聞いただけで大切な進路を決めるなんてことは、私は 絶対にしません。一年というのは本当に短い期間ではありますが、なんでも最初が肝心であって、この一年間というのはこれからの歯科医師人生を左右していくといっても過言ではないと思います。事実、この文章も三月に書いておりますが、去年の四月にプライベートのこともありこの一年間はあっという間だろうなと考えていましたが、想像以上にあっという間でした。

豚顎を使った歯周外科の実習もやりました。
豚顎を使った歯周外科の実習もやりました。
同期の研修医の話を聞き、あれをやったとか、これもやったとか聞かされて焦ってしまうことがあるかもしれません。しかし、研修医の時に出来ることなどはいずれやることになるので、全く焦る必要はありません。それよりも大事なことはしっかりと今やるべきことを考え、5年、10年先のことを見据えて地味なことでも地道にやっていくことです。

将来何をやりたいのか、私がこの研修プログラムを選んだ理由は、地域志向性に重点を置いている点で、その一つとして訪問診療があります。私が学生の時、大学病院実習で診た患者さんの中には口腔崩壊しているひとが少なくありませんでした。普段接している人たちの中にそのような人はいませんし、生活保護を受けているという人も聞いたことがありませんでした。世間知らずだと言う人はいますが、社会的弱者の立場にいる人々の生活を少しでも良くしてあげられることが仕事であれば喜んでやりたいと考えています。

口腔崩壊=社会的弱者ということは端的かもしれませんが、そのような人に対して診療室内での短い時間内の治療や期間をおいてのメンテナンスにどれだけの効果が有るのかは疑問です。まず、歯科に受診する人たちがどのような生活を送っているのかを知る必要性を感じ、患者の家に伺う訪問診療に私は興味を持ちました。問診では知ることが出来ないことも生活環境をみることで知ることも出来ます。生活は当然、人それぞれ、この一年間で今まで生きてきて伺った家の数よりも多い数のお宅訪問をしたし、全く知らない家に行くことなど殆ど無かったのではないかと思います。そのなかでキレイにされている家もありますが、足の踏み場のないほど散らかっている家もありました。お口の中と一緒です。初めて来院する人の口腔内は当然診たことないですが、ある程度人数を診ることで傾向が分かってきます。歯ブラシは替えているのか、入れ歯はすぐ使える位置に置いてあるか、カレンダーに書いてあるスケジュール、介護用品、台所の使用状況、家族構成とキーパーソン、すべてのことが口腔内に関わってきます。それらのことをしっかりと想定していく経験は付属病院や口腔外科では出来ないことではないでしょうか。
職場での打ち上げ
職場での打ち上げ

また、昨今はチーム医療の重要性が述べられていますが、そのチームは病院内だけに止まったものに感じられます。患者さんは普段病院にはいません。地域社会との繋がりの中で生活しており、医療はその一部でしかないです。地域全体がどのようにその患者さんというよりかヒトに関わっているかを様々な交流をしながら理解していく必要があります。研修で地域の集まりに参加し、診療室以外での活動もとてもよい経験になったのではないかと思います。

最後に、この研修プログラムを過去に研修した先生の3人ほどと接してみて感じたことは、ある共通点があることです。性格のタイプは異なりますが、皆が誠実であることです。なかなか気をつけても身に付くものではないと思いますが、その姿勢をしっかりと私も身に付けていけるよう努力していこうと思いますので、将来歯科医師になるみなさんも頑張って下さいね!!
拙い文章ばかりではありましたが、数少ないであろうこのブログの読者の方々、一年間お読み頂き有難う御座いました。


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15年2月の研修医日記

ポータブルユニット
ポータブルユニット

 日増しに暖かになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
暖かくなるにつれて、研修ももう少しで終わってしまうと考えると、やり残したことや、やりたかったことの多さに戸惑っています。最近、あまり研修内容を研修医日記に書いていなかったので、たまには書いていこうと思います。
 毎週一回、私は老健施設への往診に同行しており、小豆沢歯科では往診にポータブルユニットを症例に応じて持っていき、治療を行っています。ポータブルユニットとは、その名の通り歯科治療に欠かせない機材をコンパクトにまとめた機材です。コンパクトといってもかなり重いのですが、この機材のおかげで、診療室で行う治療に近い治療を往診でも行うことが出来ます。歯の神経の治療などは、どうしてもポータブルユニットが必要となることがあります。また、往診の時にお口の中を見るときは手元がどうしても暗くなってしまいがちなので、ヘッドライトを付けて治療をしております。

往診に持っていくヘッドライト
往診に持っていくヘッドライト
このように、診療室で治療する時とは勝手がかなり異なるので大変ではありますが、その中で工夫して治療していくことはとても勉強になり、やりがいを感じながらやらせて頂いております。
 診療以外でも研修はあり、最近ではマウスピースの作製をやらせて頂きました。歯科で作るマウスピースは、筋の緊張を取ったり、顎関節への負担を軽減したり、噛み合わせを安定させたりすることを目的として使用されます。夜寝るときに装着することが多いです。実際に、自分で作ったものを使用してみることで、よりその治療に対して理解を深めることが出来たのと同時に、どの部分を調整すればより使いやすくなるかを知ることが出来ました。入れ歯を入れることは出来ませんが、このようなマウスピースを使用してみることで、少しでも患者さんの気持ちが理解出来たのではないかと考えます。
マウスピース、右がハード左はソフト
マウスピース、右がハード左はソフト
 これからも焦って色々手を出すのではなく、目の前にあることをひとつひとつ着実にやっていくことが今は一番大切なことなのではないかと感じながら、残り少ない研修も続けていきたいと思います。


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15年1月の研修医日記

春ももうすぐ
春ももうすぐ
 春の陽気が待ち遠しい今日この頃、皆さん風邪など引かずお過ごしでしょうか。 私は、年末年始の不摂生のツケからやっと抜け出だし、研修を続けておりますが、自分の至らないことが多く悪戦苦闘の毎日です。

何をやっても上手くいかない時、私は一人で考え込まず他人に話します。そのことに関わっている人たちに相談することはもちろんですが、全く関係のない人に話すこともとても有効な事であると思います。今であれば歯科に関わることで行き詰まることが多く専門的な内容も多くなります。そのことを歯科に関わらない人に話すことは難しく、より分かりやすく説明する必要があります。専門的な内容なので話すことで、解決しようとは考えてはいませんが、分かりやすく説明しようとすることで問題を自分の中で整理し、その過程で改善点が見つかることもありました。逆に違った視点からアドバイスを頂くことも多々あります。それは、そのまま患者さんからの視点であるのではないかと考えることもあります。

以前、ご指導して頂いた先生から、一つのことに集中し過ぎると周りが見えづらくなるから注意をするよう助言を頂きましたが、中々その余裕を持つことはまだ難しいです。これから更に経験を積んでいくことでしかある程度の余裕を持つことは難しいとは思いますが、その時に自分に過信せず、謙虚な気持ちで物事に臨んでいけるよう取り組んでいきたいと思います。
そして、いつも相談に親身に答えて下さる先生方、友人たち、そして家族には頭が上がりませんが、もう少し悪戦苦闘してみます。
小豆沢歯科集合写真
小豆沢歯科集合写真
 

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