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所長挨拶

所長
東京ほくと医療生活協同組合
生協王子歯科 所長
望月裕美

卒業のシーズンです

 学生時代を遥か昔に終えた私でも、母校への様々な思い出があります。
 学生当時は、学生生活、学校の校風、教員の指導などにずいぶん不満を言い、こんな学校から早く卒業したいなどと考えたことはいくらもありました。
 しかし今振り返ってみると、どの学校においても、確立された思想のもと厳しいながらに温情厚く教え育ててくださったと、今はありがたい気持ちしかありません。
 3月は年度の節目にあたり、卒業、退職など、これまで生活を共にしてきた仲間との別れもあります。しかし真なる別れではなく、独立して新たに歩みだすためのあくまでも節目にしか過ぎません。

 虫歯の治療、根にある神経の治療、歯のない所を補う治療など、歯科治療はひと段落節目がある治療が多くあります。
 入れ歯がなかなか合わずに、調整に苦労した患者さんが「食事がおいしく摂れるようになりました、おかげさまで。」とおっしゃられ、入れ歯が合うようになったと聞くと、「ああやっと入れ歯の調整が卒業だ。」とホッとします。
 しかし、歯周病が悪化しないようにするための維持治療など、一度改善した口腔内を良好に維持し続けるための治療は継続します。「卒業」にはなりません。

 当院では、ご高齢、お身体のご病気により当院への通院が困難となり、通院は「卒業」となっても、訪問診療にて治療を継続いただいている患者さんも多くおられます。
 歯周病安定期治療においては、歯科衛生士は、時に磨けていない場所をお伝えし歯ブラシの当て方などを指導させていただきます。中には、日頃頑張っているのに今日も叱られた、つらいなあと思う患者さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、日頃のご自分での努力が、歯周病の悪化や虫歯予防や早期発見、治療に確実につながっていますので、どうか、定期的に足を当院に運んでいただけるとありがたいです。
 なお、治療の内容などにご不明点、ご不満点などがあれば、いつでもご遠慮なくお伝えください。患者さんにとって最善の方法をご提案、提供できるよう私たちは患者さんと話し合います。
 私ども事務職員も含めて職員一同が、患者さんにご納得いただける治療をご提供でき、よりよい口腔機能のもとでおいしい食事を召し上がっていただけ、毎日生活いただけるよう、日々努力し、運営しております。
 今月もよろしくお願いいたします。

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本質を見つめ、改善へ

 今年は新年から胸を痛める出来事が数々ありました。大きなものとして、能登半島大地震がありました。

 能登半島大地震で亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 地震の翌日、物資を空輸しようとした海上保安庁の航空機と、日本航空旅客機(JAL)との衝突事故が羽田空港でありました。当初、国内の報道は、衝突事故についての責任、過失を問う報道が主でしたが、海外メディアは379名の乗客乗務員全員の命を守った日本航空(JAL)の乗務員を絶賛していました。このメディアの影響を受け、日本国内の報道も、責任追及に偏ったものでなく、死亡と生存を分けた原因の追及と再発防止策への内容に移行していきました。このことについて、東京医科歯科大学学長は、「意図と反したことが起こると、人は、『誰がやった?』『誰のせいだ?』となりがちですが、本来は『なぜ起こったのか?』責めるよりも原因を考え改善することが重要だ」と話しています。

 どのような出来事もトラブルや事故はつきものです。医療においては、特に、患者さんの身体に影響する重篤な障害に結びつくこともあります。

 私たち診療所では、事務職員含めた全職員にて、日々の診療業務の中で生じたトラブルや事故について、当然ながら患者さんには深く謝罪申し上げるとともに、職員に対しては責任追及や罰するための措置としてではなく全職員で事実を共有し原因追及、再発防止、改善していくべきことを検討しています。

 今月もどうぞよろしくお願い致します。

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今年もスタートしました

1月挨拶
 12月31日は大晦日で、一年が終わることへのどことない寂しさがありますが、人の気持ちは不思議なもので0時を超えると、たった数分しか経っていないのに新年が明けたという新たな気持ちになります。
 年の瀬には一年間にお世話になった方への挨拶が日常的にあちこちでやりとりされますが、当診療所にも年の瀬には委託している技工所の技工士さんが挨拶と患者さんに装着する連続したかぶせ物(ブリッジ)の納品を兼ねて朝早くにいらっしゃいました。
 いつもは技工物を宅急便で茨城の技工所から当診療所に送ってくださいますが、その時は、宅急便配送では朝九時の診療予約の患者さんへの装着に間に合わないため、わざわざ診療当日届けに来てくださったのです。
その技工士さんは大病を患われた後、復帰し技工の仕事を再開しておられ、患者さんの装着後口の中での調整がほとんど不要なほど大変完成度の高い物を作製されますが、患者さんのためにというその責任感には大変頭が下がりました。
 私たちは新年度ごとに毎年目標を掲げ、その目標に沿って職員全員が個々に努力し、よりよい診療所の運営、患者さんにご満足いただける診療に結び付けております。
 外部委託する技工所の技工士さん皆さんの尽力もその目標達成には欠かせません。
 今年もまた、患者さんにご満足いただけ、口腔機能向上、維持に尽力できる診療を目指して、職員全員が協力し努力してまいります。

 2024年もどうかよろしくお願いいたします。

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「師」について

 今年も、「師が走る。」、師走となりました。

 去る11月25日に民医連歯科部の拡大所長事務長会議が開かれました。その中で様々なテーマが扱われましたが、「民医連職員は、民医連に入職してから民医連職員として成長していく。」という講義内容の言葉はとても印象的でした。私が生協王子歯科に入職させていただく前の職場で出会った恩師、学んだ学校の教師など数々の私にとっての「師」が、私を育ててくださいました。
 民医連歯科の一組織である生協王子歯科に入職してからは、前所長の前田茂先生、事務長をはじめ、職員皆さんに色々教わり、新たな技術、知識を得ながら今に至っています。
 それだけでなく、所長を引き継がせていただいたのちも、王子生協病院の今泉貴雄先生をはじめ、他診療所の先生方、あるいは介護支援施設や訪問看護の職員の方々からとの連携も深め、自分は成長できております。
 そして、何よりの「師」のような存在は、やはり患者さんです。
 ほとんどの患者さんは私より遥かに人生経験を積まれてきた人生の先輩です。
 そうした患者さん方との診療を通じて、こうした治療を施すことでどうしたら口腔機能の回復、維持や向上に結び付けられるかを、すべての患者さんで一人一人学ばせていただいています。
 訪問診療で治療させていただいた90歳を超える長寿の患者さん方の中には、訪問申し上げると傾眠されていることが多い寝たきりの方もおられましたが、口から食事できる患者さんはみな100歳を超えるまで長生きされました。口から食事できるということは生命に直接結びつくのだろうと学ばせていただきました。
 こうした多くの方々との出会い、教えが今の私の活動の根源となっています。
 残り1か月ですが、医療事故なきよう気を引き締め、年の瀬を迎えられるよう、職員一同患者さんのために日々努力いたします。
 どうかよろしくお願いいたします。

 また、2023年も当診療所を利用いただき、誠にありがとうございました。

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勤労感謝

 私たちは訪問歯科診療を行っていますが、前の患者さんの治療が長引いたり、車の移動中での交通渋滞に巻き込まれたり、などの事情によりお約束通りの時間に訪問できず、患者さんやご家族をお待たせしてしまうことがあります。
 以前、関連病院での数名の患者さんの診療や病棟職員との話し合いが想定以上に難航してしまい、一段落して時計をみると、次の患者さんの訪問お約束時間である10時から10時半頃、がすでに11時を15分ほど回ってしまっていました。「遅れます。」とお詫びするつもりでお電話し、「生協王子歯科です。申し訳ありません、実は10時過ぎとのお約束がこんな時間になってしまいまして・・今お伺いしますので。」とお詫びしましたら・・
ご家族様:「ちょっとあなた!ずっと待ってたのよ!!」とかなりご立腹です。
私:「大変申し訳ありませんでした。前の患者さんの治療が大変長引いてしまいまして・・ご連絡差し上げるのが今になってしまいました。」
ご家族様:「医者様が来るとなると、こっちは掃除したり部屋を涼しくしておいたり、色々準備があるのよ!!!先週、こっち(患者さんご自身)の都合でキャンセルになったから、今日は朝からずっと私も、買い物にも行かず、一緒に待っていたのよ!!」
私:「そんな・・準備なんていいのですよ。」と言うと、それをさえぎるように、
ご家族様:「そんなわけにはいかないわよ!!」
私:「ご準備ありがとうございます。今日は申し訳ありませんでした。どうしましょうか、予約を変えますか?」
 雲一つない晴天。いつもは患者さん一人で在宅し、ご家族は外に買い物にいらっしゃるお時間です。私どもの診療が遅くなったことで、せっかくの晴れの日に買い物にも出られません。心苦しく思いながら話しました。
ご家族様:「いいわよ。診てもらいたいから。今すぐに来るんでしょ?待っているから。午後は内科の往診があるし。」と声は穏やかになり、ありがたいお返事が返ってきました。
 振り返れば、季節は真夏真っ盛り。その患者さんを訪問すると、毎回毎回、診療する部屋に扇風機が回っていて暑苦しい部屋は快適になっていますし、何枚かの座布団が敷かれ、往診記録ノートなどが丁寧に並べられていました。
 ご家族の激しい剣幕のお言葉を受けて初めて、恥ずかしながら、医療者をもてなすためのさりげない仕度を診療の度にあらかじめしていただいていたことを初めて知り、私たち医療従事者への厚い感謝のお気持ちをいただいていたことを初めて知った次第です。実にありがたいと思いました。
 11月23日には勤労感謝の日があります。私たち医療従事者をはじめ当歯科職員全員は、患者さんにとって「受診してよかった。」とご満足いただけるような診療、事務対応ができるよう、日々精一杯努力しております。これは私たち職員にとっては、ごく当たり前のことに日々取り組んでいるだけではありますが、これらの活動に対して感謝いただいている患者さんやご家族皆様のお気持ちは大変ありがたく励みとなりました。
 今年も早いもので、来月で終わりになりますが、残りの期間も、当歯科職員全員が日々努力いたします。どうかよろしくお願いいたします。

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お祭りの季節です

 秋の収穫を願って、例年秋は、神社での祭礼と御神輿担ぎが地域の伝統行事として各地域で盛んになり、いつもはうっそうと茂る鎮守の森の中で一年のほとんどは影をひそめてたたずむ古いお社が、秋祭りの時ばかりは大々的に脚光を浴び、お社境内の露店には小さな子供たちがたくさん集い夜遅くまで大賑わいで、この時ばかりは、たちまち、地域の遠い昔からの鎮守としての威厳を顕わにします。
 新型コロナウィルス感染対策のため、数年は行事が自粛されていましたが、今年は新型コロナウィルス感染症の分類移行に伴い、自粛が解除され、今頃からしばらくは、各地域で盛んに御神輿が担がれ、秋祭りで賑わい、小さな子供たちが大人になった気分で夜遅くまで神社周辺を走り回るほどかもしれません。祭礼行事やこれを取り持つ地域の施設は、現代に育つ子供たちと遠い昔からの伝統的な風習を伝承する地域の大人達とをつなぐ、地域の一つの拠点のような役割を担っているように思います。
 当診療所も、かかりつけ歯科としての地域の拠点診療所です。特に当診療所は王子生協病院や居宅介護支援施設、訪問看護施設などとも連携を密にし、組合全体で患者さん一人一人のことを真剣に考え、顎顔面口腔機能で困ったことを解決するため、診療に日々取り組んでおります。
 スマートフォンなどの便利な通信機器が発達した今でも、地域に居住する患者さんが当診療所を受診してよかったことや解決した困りごとを口伝えに地域に広めてくださり、これを聞いた新しい患者さんも多く来院されるようになっています。当診療所は益々地域の拠点診療所としてお役に立てるようになっていく一方で、あいにく予約も入りづらい面もあいにくありますが、ご来院される患者さんみなさんにご満足いただけるよう、職員全員が協力して問題点の解決に取り組み、日々努力をしております。
 今月もよろしくお願いいたします。

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9月のご挨拶

 夏の終わりから秋にかけては台風到来のシーズンとなります。
 台風は野分(のわき)と古くは呼ばれていましたが、野を分ける台風の勢いと災害を体感してこのように呼んだ古典の人は、非常に風流があると思いますが、災害のすさまじさも当然頭にとどめておかなければならないことです。
 この診療所近辺は川がとても多いですが、雨による水害が起こらないよう治水事業が非常に行き届いています。荒川、墨田川、多摩川などの都内の川の氾濫による水害が地域に大変な被害をもたらし、治水事業が古い時代から長らく行われていたことは、学生のころ社会科では学びましたが、私がこの診療所に来てから、治水事業の成果を改めて知り、とても驚きました。
 治水事業のほか行政が取り組んできた事業の一つに急速に進む超高齢化社会に対応しての介護保険制度や高齢者医療制度があり、それぞれの制度にはまだ課題は山積であり継続的に改革は進められていますが、一定の運用はされており、この制度のもとで私どもは外来診療のほか訪問診療も行っています。
 患者さんの中には、これまで元気に外来通院されていましたところ、お怪我や病気で入院などされその後、外来通院が非常に困難になる方がおられます。
 この患者さんやご家族に訪問診療のご案内をすると、訪問診療があったとは知らなかった、ぜひ利用したいと驚かれる方も少なくありません。介護支援事業施設を通じてでも、患者さんやご家族からの利用申し込みでも、遠慮なくご相談いただきたく思います。
 私たちは看取りまで口内や歯のお困りごとを解決し、いつまでも口から食事していただけて、話すことなどの機能も衰えることなく、生活を毎日充実して送っていただけるよう、外来診療ならびに訪問診療を行っており、職員全員が協力して支援をさせていただいております。

 今月もよろしくお願いいたします。

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〜平和を願って〜 8月の記憶 医療従事者の役割

 高校生のころ、倫理哲学の授業で「人は一番大切なもの、一番思い入れのあるものは口に出せないものだ。宗教の中には、神として祀るものには名前を付けないいわゆる『名無しの神』をあがめるものもあります。それほど神を畏れ多いと思うものなのですね人間は。」と先生が話したことがあります。確かにその通りで、もっとも心に留めている大切なものなどはなかなか他人には言えず、自分の心に秘めているもののように思います。
 毎夏、太平洋戦争のことを振り返る季節になります。戦争の経験をされた方も高齢になられ、戦争体験を語り継げる方も減りつつある現状を危惧し、辛く恐ろしい戦争を二度と繰り返さないようにするためにこの体験を伝承しなければと強く言われています。戦争体験を見聞きする戦争未体験者である若い私達ですら当時のことを見聞きすれば、内臓を口から吐き出したくなるほど辛い辛い想起をさせるものです。辛く恐ろしい戦争のことは思い出すだけでも辛く、記憶の底に沈めたまま口にも出したくないという人が少なくないことを若い私達は知った上で、既存の戦争体験に関する書物などを伝えていかなければならないように思います。
 口に出すのもはばかれるような畏れ多いこととは正反対に、口に出して明確に伝えなければならないものに、私達医療従事者の医療行為についての患者さんへのご説明があります。患者さんのよりよい口腔機能、生活の質をご提供するために提供する医療について、私達職員全員が、医学的根拠、治療方針やその内容、予後などについて、患者さんに分かりやすくご説明できるよう日々努力しております。
 今月もどうかよろしくお願い申し上げます。

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わかちあい

 昨日私は、ささいなけんかをしてしまい、気持ちが少し晴れないでいます。
 みなさんは、家族、友人や職場の人と意見が食い違って、けんかになることやけんかにはならないでも我慢しなければならないような不満を持つことはありませんか。
 ちょっとしたことで意見が食い違い、つい相手とけんかや言い争いになることは、私も時にあり、その直後はとても後味が悪いものです。しかし、時間の経過とともに、こだわりが消え、相手との出来事は記憶の底に落ちていき、いつしかまた通常通り、話を分かち合える状況に回復していくことがほとんどです。

 患者さんと我々医療者においても、時に意見の食い違いが生じます。それは私たちが標準的で医学的に最善とされる医療を施しても、私たち医療者の診断、施術そのものが患者さんの強い思いにより受け入れられないという事があります。
 食い違いが生じると、患者さんは非常にご不満を持たれ、中には怒り出す方もおられます。しかし、私がこれまで臨床医をやってきて、患者さんとの意思疎通が出来ないまま断絶したことは一度もありません。私たちと患者さんとの話し合いにより、患者さんは状況を納得され、互いに分かり合う事で「先生も一生懸命やってくれたから、これでいい。」と言葉をくださることすらあります。実にありがたいことです。
 日本には「おたがいさま」というとてもいい表現があります。不満に対する自分の我慢と引き換えに、相手を赦せる(ゆるせる)日本人の国民性はとても素晴らしいと思います。

 私たち医療者は患者さんの口腔機能、生活の質をよりよくしていけるよう、日々努力をしておりますが、そのために診療時間が超過し、患者さんをお待たせすることになったり、治療が予定通り進められなかったりして、トラブルが生じることもあります。時に患者さんには私たちの努力の気持ちがうまく伝わらず、意思の疎通がうまく出来ないことがあるかもしれません。しかし、患者さんやご家族とは必ず、「わかちあう」ことができると信じて、職員一同は日々努力しております。

 今月もどうかよろしくお願いいたします。

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梅雨の季節到来です

 関東地方は6月ごろ梅雨の季節に入ります。
 先日急な夕立が到来し、雨の中買い物したたくさんの品物を両手に抱えて帰らねばならなくなりました。会計していた店員さんは「雨ですが、こんな大荷物で大丈夫ですか?買い物してお店で保管し明日取りに来られるか上司に聞いてみましょう。」と上司の職員に掛け合ってくださいました。その上司の不許可により、商品の取り置きはできず、重い荷物を両手に抱えて傘を差しながら大雨の中を歩いて帰りましたが、その店員さんの心配りがとても印象的で、店を去ってからも私の苦労をさわやかに消し去ってくれました。

 私たち医療従事者は医療サービスをご提供する立場に日々ありますが、いざサービスを提供される立場になってみると、心象よい対応というのがどういうものか振り返るいい機会になりました。
 相手の気持ちに立って考えるというのはとても難しいことで、話し合いによって解決に結びつきます。医療従事者に気持ちをわかってもらえないと考える患者さんは、遠慮なく、ご不明点やご不満点をいつでも私たち職員にお伝えください。

 私たち職員は全員が患者さんの気持ちに立って、配慮し、できる限りの対応をさせていただくつもりで日々努力しております。歯科治療においては、可能な処置、不可能な処置、よりよい口腔機能、生活の質に結びつけるために不可欠な処置は患者さんの気が進まなくても処置の利点、問題点を十分にご説明し納得いただいて、行っております。
 今月も何卒宜しくお願い申し上げます。

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皐月

 新緑がまぶしい季節になりました。5月は旧暦で「皐月」とされ、早苗を植える月という意味が由来との説があります。早苗は成長しいつしか実りを与えるものとなりますが、実りにつながるまでには長い過程があります。

 歯周病は歯科疾患の中の多くを占める傷病の一つです。歯周病では長年蓄積されてきた口の中の汚れや排泄物が原因で歯の周りの骨(歯槽骨)が溶解し、弱った歯茎と骨の間の隙間の歯周病菌が痛みや腫れを引き起こしますが、長年蓄積されてきたものを除去する歯周病の治療を始めても成果が出るまでには時間を要します。
 歯科治療には、歯周病のほかにも、歯の中の神経に及んだ虫歯菌の感染を除去するための根管治療(歯の神経を除去し神経を入れた細い管を消毒し薬を詰める治療)などもあります。この治療も根気強い通院が必要です。
 時間をかけて生じた傷病について、1回の歯科医院受診では解決しない病状が多くあり、治療の効果が実を結び病状が回復するまでに根気強い通院をお願いしなければならないことをどうか理解いただけましたら幸いです。
 なお、当診療所では、急に腫れたり痛んだりしたため予約外での受診を希望される患者様のご希望にもできる限り添えるよう対応しております。このため、予約で来院された患者様にも担当医が席を外す事情などについてご理解とご協力をいただかざるを得なかったり、予約外でいらした患者様には応急的な対処のみとならざるを得なかったりすることがございますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

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はじめまして

 皆様 はじめまして。
 私は2023年度(令和5年度)4月より、前田茂所長の後任として所長を引き継がせていただくことになりました望月裕美(もちづきゆみ)と申します。
 生協王子歯科と出会いのきっかけは、王子生協病院緩和ケア科にあります。私はこれまで東京医科歯科大学顎口腔外科学分野(現:顎口腔腫瘍外科学分野)に在職し、口腔がん患者様の心や身体のお痛みに向き合い、治療にかかわって参りました。王子生協病院緩和ケア科は当歯科と連携があり、口腔ケアも含めた口腔がん特有の緩和ケアを考慮する際には、王子生協病院緩和ケアへの依頼はとても心強いことでした。これが生協王子歯科との出会いの発端です。
 私がこれまで主に取り組んでいる口腔外科治療は、大病院に行かなければできない特殊な治療と考える方もおられますが、実際には、知識と技術さえあれば地域医療の中で解決できるものも中にはあります。ご高齢の方、身体的に不自由な方、仕事が多忙で通院回数などが限られる患者様方など通院に制約を伴う方々にとっては、ご自宅から通院しやすい近所に口腔外科治療ができる診療所があることはどれほど心強いだろうかの思いから、地域医療への従事を切望し、また、民医連の医療倫理に賛同し、当歯科に参りました。
 当歯科の強みは、大きくは2つあると思います。一つは、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士や歯科助手といった医療従事者だけでなく事務職員も含め、職員全員が一同になって患者様一人一人のことを日々、真剣に考え、話し合い、治療方法の在り方など常に研修を行って、より満足いただける治療をご提供していることです。もう一つは、東京ほくと医療生活協同組合のネットワークの中で、組織全体で医科・歯科・介護の密な連携をとり、居宅療養の患者様の日常生活に根差した訪問歯科診療も行い、日常生活の中で患者様の困っておられることも連携の中で情報を共有し解決に結びつけていけることです。
 私は生協王子歯科で日々診療ができることを嬉しく、また皆様の口腔機能向上、ひいては生活の質の向上にかかわれることを嬉しく思います。
 これから、どうかよろしくお願い申し上げます。

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所長
東京ほくと医療生活協同組合
生協王子歯科 前所長
前田茂

退任のご挨拶

 春光の折、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて、この度、前田 茂は3月31日をもちまして所長を交代することとなりました。永年にわたり格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。所長交代後も歯科医師として引き続き勤務し、地域医療発展のため努力してまいります。
なお、後任には当院歯科医師の望月 裕美が就任いたします。

 これまで同様に格段のご支援ご高配を賜りますようお願い申し上げます。

2023年3月31日 前田 茂  

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歯科から発信する社会保障運動

 3月になり、暖かい日も多くなってきました。今年の冬は寒暖の差が大きく体調を崩された方もいらっしゃると思います。
 春は生活環境の変化する方も多いかと思います。
 新型コロナウイルス感染症は季節性インフルエンザと同等の5類感染症に5月8日から変更される予定です。すでに感染者数もかなり減少しており新型コロナウイルス感染症からの解放感も社会に広まりつつあります。新型コロナウイルス感染症から3年が経過し、社会生活を一定正常に戻すことはやむを得ないことかもしれません。死者数を見ると今年の1月は1か月の新型コロナウイルス感染症による累計死者数が過去最高だったようです。まだまだあなどれない状況が続いています。みなさん、充分にご自愛ください。

 生協王子歯科が加盟する全日本民医連歯科部では、経済的格差が口腔の健康格差を広げている事例を集め実態を明らかにし、「口腔崩壊」という言葉で告発してきました。同時に、口腔崩壊の原因が自己責任だけではない、歯科における「手遅れ事例」であることも訴えてきました。歯科の受診率は医科以上に所得格差の影響を大きく受けるため、窓口負担が重くのしかかります。歯が痛くても、歯肉が腫れ上がっても、歯が抜けてバランスの良い食事をとることが出来なくても我慢するのです。さらに、自費診療の存在を理由に保険給付拡大を厚労省が拒んでいます。経営の厳しさのため自費診療を放棄することが出来ない歯科界の事情が「保険でよい歯科医療」の運動を難しくしています。
 近年、80歳で20本以上の歯を持つ方が5割を超え子どもの虫歯も減ったように口腔内の健康意識が高まる一方、口腔内に現れる「社会的困難」の実態は、医療機関だけでは解決できない社会的な問題であり、自己責任という視点ではなく、社会全体を改善させていくことが大切です。

 近年、歯科医療は全身疾患との関連や生活の質の改善にも深く関わっていることが明らかにされています。窓口負担の軽減と予防を同時に行うことが重症者を減らし医療費全体の削減にも繋がります。日本の医療・介護・社会保障制度が基本的人権に基づいた「いつでも、どこでも、誰もが」安心して受けられ「健康」を支えるもの、「その人らしい人生を送る基盤」となるものに整備されるよう、「保険で良い歯科医療を」を含むあらゆる社会保障の充実を社会に訴えます。
 生協王子歯科は、全日本民医連の一員として「保険でより良い歯科医療」署名をお願いしております。皆さんのご協力をお願いいたします。

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歯磨き剤について

 早いもので今年も1か月が過ぎ2月4日はもう立春です。ただ、2月はもっとも寒い月とも言われています。新型コロナやインフルエンザの感染への警戒も充分に必要ですし風邪もひきやすい時期です。みなさん、くれぐれもお身体を大切にされてください。
今月は毎日、使用する歯磨き剤についてお話しいたします。

 歯磨き剤には種々の成分が配合されており、@虫歯を防ぐA歯垢を除去するB歯肉の炎症を抑えるC口臭を防ぐD歯を白くするE歯のヤニを取るF口中の汚れを洗浄するG知覚過敏を緩和するなどの作用があり歯磨き剤のチューブや外箱に「成分」の表示があります。歯磨き剤には、薬事法により、化粧品歯磨き剤と特定の薬効成分を加えて虫歯や歯周病の予防を主目的とする薬理作用を加えた医薬部外品歯磨き剤および数は少ないのですが歯肉の炎症を抑える成分を含む医薬品歯磨き剤があります。

歯磨き剤には研磨剤という成分がふくまれていますが研磨剤で歯が削れるということを聞かれたことはないでしょうか?
かつては歯磨き剤に粒子の粗い研磨剤がふくまれていましたので歯が削れるということもあったかもしれませんが現在は国際規格で歯が削れるほどの研磨剤は含まれていませんので安心してください。

歯磨き剤にはペーストタイプとジェルタイプがあります。ペーストタイプは発泡剤で爽快感が得やすく着色除去効果も高いのですが泡立ちで磨いた気になりすい歯磨き剤です。ジェルタイプは低発泡のため薬用成分が口の中にとどまりやすく虫歯予防や歯周病予防の効果が高まります。
歯磨き剤の使い方としては、まず歯磨き剤無しでブラッシングした後で、歯磨き剤を歯ブラシに付けて歯の面全体に塗るように、力を入れないでブラッシングするという方法か、最初から歯ブラシと同じ長さだけ歯磨き剤を付けて、ゆっくりと丁寧に時間をかけてブラッシングする方法があります。いずれにしろ、正しい歯磨きの仕方を習得することが大切です。

虫歯予防や歯周病予防のためには 医薬部外品と表示してあるものを選び、フッ素入りか、歯周病予防用を選ぶことをお薦めします。生協王子歯科では、チェックアップという、フッ素とキシリトールを配合し、歯の再石灰化を促進し、虫歯の発生・進行を予防する歯磨き剤を販売しております。

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明けましておめでとうございます。

 明けましておめでとうございます。
 昨年も生協王子歯科は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持、御支援を頂き、ありがとうございました。
 日本漢字能力検定協会が発表した昨年の漢字の第1位は、「戦」でした。昨年は、ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮によるミサイル発射など直接的な戦争への不安を日本人も感じました。また、いまだ収束の見えない新型コロナウイルス感染症や、円安、物価高などにより、日常の生活において私たちは戦いを強いられています。「戦」という字が第1位になるのは、やはり大変な1年だったと実感します。
 そして、今年2023年ですが、どんな年になるかやはり考えてしまいます。私たちは予言者ではないので実際には分からないのですが、どうしても考えてしまうので古来未来を探る手段として使われてきた干支を見てみます。2023年の干支は「癸卯(みずのと・う)」です。干支は中国の古い思想をもとにして60年周期で循環する暦で、それぞれの暦に意味があります。それによると「癸卯」は、「寒気が緩み、萌芽を促す年」だそうです。コロナ禍もあり、我々はここ数年様々ことに耐えて頑張ってきました。そうやって頑張ってきたことが、段々と報われる年になるのかもしれません。諦めずに希望を持ち続けてきて良かったと実感できる年にしたいものです。
 今年もよろしくお願いいたします。

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年末年始に歯や口のトラブルがおきたら

 2022年も、残すところわずか1ヶ月になりました。今年もコロナ禍が続く中、組合員、地域の皆様に生協王子歯科をご支援、ご支持いただき、ありがとうございました。生協王子歯科職員一同、厚く御礼申し上げます。
 年末はあわただしい日々ですが、クリスマスがあったりお正月にも近く、心楽しくなる時期でもあります。ただ、年末年始はほとんどの歯科医院がお休みとなるので、歯が痛んだり腫れたり、被せ物が取れたりなどのトラブルがあるとせっかくのお正月が台無しになってしまいます。年末年始に歯や口のトラブルがおきた場合にご自分で出来る対処法をご紹介いたします。

◆歯が痛い時
1.市販の痛み止めを服用する。
 歯の痛みに対し市販薬を選ぶ時は、下記のポイントをチェックするとよいでしょう。
 @ 痛みの緩和に役立つ成分が含まれているか。
   具体的には、以下の成分が歯の痛みに有効です。
   (持病がある方は、薬剤師と相談してから購入しましょう。)
   ・イブプロフェン
   ・ロキソプロフェン
   ・アセトアミノフェン

2.冷やす
 虫歯による痛みの場合、冷やしたタオルを患部に近い頬に当てることで、痛みを和らげることが出来ます。おでこに貼る冷却シートを頬に貼ったり、氷を口に含んだりするのも効果的です。冷やしすぎると逆効果になるため、長時間氷や冷水を使うのは避けてください。また、軽度の虫歯や歯周病は、冷やすことで痛みが増すことがあります。痛んだり腫れたりして熱を持っている場合に冷やすなど、様子を見ながら行ってください。

3.口内を清潔にする
 食後に歯の痛みを感じる場合は、柔らかい歯ブラシや、デンタルフロス、うがい薬などを使用し、口内を清潔にしてください。食べカスが原因で引き起こされている歯痛は、取り除くことで軽減できます。口内を掃除する際、痛みを感じている歯を刺激しないように注意してください。


◆被せ物や詰め物が取れた時
 取れた物は保管し、歯科に持参してください。接着剤などを自分で付けるのは絶対にしないでください。間違った位置に付いてかみ合わせに不具合が生じたり、作り直すために、余計に歯を削る必要が生じたりする場合があります。

◆入れ歯が壊れた場合
 壊れた入れ歯を使わないでください。お口の中を傷つけたり、入れ歯を飲み込んでしまう危険があります。また、自分で接着剤などを使って修理しないでください。できるだけ早めに歯科を受診して修理してもらいましょう。すぐに歯科を受診できない場合は、かみやすい物を食べるなどして、誤嚥しないように気を付けましょう。

◆歯や口をケガした場合
 転ぶなどして歯を折ったり、口の中を傷つけたりした場合、できるだけはやく歯科を受診した方がよいのですが、受診する前に焦らず自分でできる応急処置をしてください。応急処置に関しては、日本歯科医師会8020パーク「歯の外傷応急処置の基本」にまとめられているものがありますので、ご参考になさってください。

もし年末年始に歯や口のトラブルがおこった場合、
北歯科医師会の休日歯科診療所(電話番号:3900−5009)にご連絡下さい。
受付時間は午前9時から午後5時までです。

皆様が歯と口の健康を保って、年越しそばやおせち料理などをおいしく食べて、楽しいお正月を過ごされることを願っております。
それでは、よいお年をお迎えください。

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今年は、11月7日(月)が立冬です。

 早いもので、11月7日はもう立冬です。今年の10月は雨続きで師走なみに寒い日もあるなど冬が早まった感がありました。11月になると、さらに朝夕冷え込んでまいります。
立冬は1年間を24等分した24節気の一つですが、24節気は太陽の動きによって日にちが決まり、今年は11月7日が立冬です。期間をさす場合は、11月7日頃から11月21日頃になります。

 立冬は冬の始まりの日という意味ですが、この時期は秋から冬への変わり目で昼夜の寒暖差が大きくなる時期でもあります。1年の中でも最も体調を崩しやすい時期なので、立冬には十分な休息と栄養を取り、冬を乗り越える為の準備をする期間とも言われています。
この冬は新型コロナウイルス感染症の「第8波」が起きる可能性が高いと専門家が予想しています。第7波の感染者数は減少が続いていますが10月に入って下げ止まりの傾向にあり、政府の「全国旅行支援」などにより人の流れが活発になってきており、ワクチン接種の免疫力が保持されるのは4、5か月程度で免疫力が減衰している人が増えていると思われるからです。

 さらに、この冬はインフルエンザの大流行が予想されています。過去2年間国内ではインフルエンザの流行が無かったので、社会全体のインフルエンザへの集団免疫力が低下していると思われます。しかも今年流行が予想されるインフルエンザはA香港型で、A香港型は入院や死亡する可能性が増加することが知られています。
新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が発生すれば、医療が逼迫するのみならず、社会機能全体に著しい支障が生じます。このことに備えるためにも、自分自身の十分な免疫力が大切です。そして、65歳以上の高齢者や糖尿病などの全身疾患を有している方には、積極的なワクチン接種が呼びかけられています。
 改めて、換気やマスク着用などの基本的な感染対策を守りましょう。

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生協強化月間です!

 今年は9月にも暑い日がありましたが、ようやく秋めいてまいりました。
 皆様いかがお過ごしでしょうか。

 10月は、島根県の出雲大社に全国の神様が集まって来年のことを話し合うため島根県以外の地域ではその地域を守る神様がいなくなるので神無月と言われ、島根県だけは神様が集まるので神有月と言うそうですが、これは平安時代以降に広まった俗説だそうです。
 ただ、年末まで3カ月となり、改めて心を引き締めるきっかけにしてはいかがでしょうか。

 10月から生協王子歯科の所属する東京ほくと医療生活協同組合では、生協強化月間が始まります。生協強化月間とは、我々の医療生協に、さらに多くの方に加入していただき、医療生協の担い手を増やし、生協のネットワークを大きく広げることに集中して取り組み期間として位置づけられています。

 新型コロナウイルスの感染症は一時よりは減少傾向にありますが、地域からは「いつコロナにかかるか不安で外出を控えている」、「自分と家族が陽性になり大変」、「家族が虚弱になり、認知症が進んで心配」など2年以上続くコロナ対応の不安の声が聞かれます。感染予防に最大限の注意をはらいながら、これまで培ってきた東京ほくと医療生協の活動の強さを最大限に生かし、今の困難に立ち向かう「生協強化月間」にしていきましょう。そして地域の財産でもある生協の事業を支え、発展させ、安心のネットワークをひろげるため、担い手・仲間ふやしと出資金ふやしをすすめましょう。

 今年の生協強化月間の目標は以下の3点です。

 *担い手さんをふやしましょう。
 *たすけあいで新たなつながりをつくり仲間をふやそう
 *地域の安心・安全な医療・介護守るため「〜秋冬〜ほくと応援増資運動」に取り組もう

 生協王子歯科は、医療生協の歯科として、皆様とともにこの運動の一翼を担います。
 なにとぞ、ご協力をよろしくお願いいたします。

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唾石症について

 9月とはいえ、まだまだ暑い日が続いております。
 今年は最も猛暑の日の多い夏でした。
 新型コロナウイルス感染症の第7波は感染者数も療養者数も高い水準が続いております。収束はまったく見えません。心身ともに疲労が蓄積するばかりですが、出来る限り疲労回復に努め、自分と自分の周りの人たちを守っていきたいものです。
 9月は、「中秋の名月」という1年で最も美しい月を見ることができます。今年の中秋の名月は、9月10日(土)だそうです。美しい月を眺めて、少しでもストレス解消ができたらいいですね。

 先月は「口の中にできるガン」についてお伝えいたしましたが、今月は歯科に関わるやや珍しい病気である「唾石症」についてお伝えします。
 人間の身体の中には、石ができることがあります。尿路結石や胆石などですが、唾石症といって唾液を作る唾液腺や唾液が通る管の中に石ができてしまうことがあります。唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺がありますが、特に耳下腺、顎下腺で唾石ができやすく、顎下腺の唾液は粘りが強いので最も唾石ができやすいのは顎下腺です。小さなカルシウムの塊がだんだん大きくなって唾石になるのですが、小さいうちは無症状で、大きくなると唾液腺管が詰まって唾液の流れを妨げ、食事の際に痛みが出たり顎の下や耳の下や舌の裏側が腫れたりします。
 舌の裏側や口の中の頬を触るだけで確認できることもありますが、レントゲンやCTの撮影で確認します。
 無症状の場合は経過観察となり、石が小さい場合は自然に排出されることが多いです。痛みや腫れが強い場合は細菌感染を起こしている場合がありますので、鎮痛剤や抗菌剤を処方します。大きい唾石は口の中の粘膜や皮膚を切開しての手術で摘出しますが、最近は切開しないで内視鏡により摘出が可能な場合もあるようです。
 上記のような症状がある場合は、まず、歯科か耳鼻咽喉科を受診してください。
 生協王子歯科を受診された場合は、口腔外科専門医の望月歯科医師が診察し、必要に応じて専門機関を紹介いたします。

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口の中にできるガンの早期発見

 早いもので8月7日は「立秋」です。二十四節気という気候の推移を示す季節の考え方では秋の始まりですがむしろ夏本番で暑さがピークといってもよい時期です。
 しかしながらこの時期にはひぐらしが鳴き始め、夕方には涼しい風が吹くこともあり秋が近いこともなんとなく感じます。節電に努めながらも、熱中症には充分気を付けて、秋を待ちましょう。

 さて、どんなガンでも、早期発見・早期治療は最も大切なことです。口の中にできるガンは「口腔ガン」と呼ばれています。口腔ガンのできやすいところは舌の左右の縁、歯に近い歯肉、舌の付け根、頬の粘膜、唇などです。
 早期の口腔ガンはひどい痛みがなく、食べ物が触れたり、舌が動いて歯に接触したりしたときに感じる程度のものなので、口の中の衛生状態が悪く、いつも歯や歯肉が痛かったり、虫歯の穴の角や入れ歯が歯肉にすれて痛みがあると、早期のガンができたとしてもそれにまぎれて見逃してしまいます。そこで口の中のガンの早期発見は、まずは歯や歯肉がいつも健康に保たれていることが大切です。そうすれば、粘膜のちょっとした変化にも早く気がつくはずです。

 口の中には食べ物や熱い飲み物、入れ歯、口内炎などによるさまざまなただれがよくできますが、もしそのただれが、
 @1ヵ月以上続くただれ、しこり
 A痛みのない赤い斑点、白い斑点
 B痛みのない腫れ
この三つの状態であったならば、早めに歯科医に相談して、診てもらってください。

 口の中は、鏡を前にしてアーと声を出すように大きな口を開ければ、奥の方までよく見えます。できれば、一ヵ月に一度は自分で見るとよいでしょう。
 あとになって後悔することのないように、いつも口の中の状態に関心を持ち、虫歯や歯周病などの病気も早く治療しておくことが大切です。
生協王子歯科では口腔外科専門医の資格を有する望月歯科医師が口腔ガンについて病理組織診断による確定診断をおこない、大学病院等の専門医療機関をご紹介いたします。

当院は予約制となっておりますので事前に予約をお取りください。

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7月に「高齢者」になります

今年も半分が過ぎ、もう7月となります。暑さが本格化し熱中症に備えるべき季節となりました。皆さん、充分ご注意ください。

 私は、7月に65歳になります。日本でも多くの先進国でも高齢者の定義は65歳以上となっていますが、この定義には医学的・生物学的に明確な根拠はないようです。私自身も高齢者になるという自覚はなく気持ちは若いままですが、高齢者になるんだなあと改めて思わされたのは、65歳以上を対象とする介護保険の第1号被保険者の保険証が届いたことです。ご覧になったことがある方もいらっしゃると思いますが、緑色の紙の保険証です。介護保険では40歳から64歳の方は第2号被保険者に分けられていますが、65歳以上の第1号被保険者は原因を問わずに要介護認定または要支援認定を受けた時に、介護サービスを受けられます。つまり、65歳以上になるとどんな方でも介護の対象となるので高齢者というイメージになっているようです。ただ、高齢者にはまだまだ若く活動的な人が多くなっており、いわゆる「若返り」が見られます。

 日本人の若返りを分りやすく説明する時に、漫画サザエさんのお父さんの磯野浪平さんがよく例に出されます。磯野浪平さんは1965年12月16日の漫画の一コマで自分が54歳であると述べているのですが、サザエさん一家は年齢が変わりませんので、50年以上前の50代のイメージが現在よりずいぶん老人に近いことがよくわかります。この若返りに伴い高齢者の定義を見直すべきだという意見が多く、日本老年学会と日本老年医学会が合同で提起した高齢者の新しい定義は、以下の通りです。

   65〜74歳 准高齢者 准高齢期
   54〜89歳 高齢者  高齢期
   90歳〜  超高齢者 超高齢期

 この高齢者の若返りが維持され高齢者の活発な社会活動が促進されれば、日本社会の様々な制度の強力な支えとなると思います。
 私自身は自分が高齢者であるかどうかはどうでもよく、いつまでも元気で明るく前向きに生活していきたいと思っています。

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ロシアのウクライナ軍事侵攻に伴う銀歯の材料価格の高騰

早いもので、今年ももう6月です。今年は5月も雨が多く、5月から梅雨が始まっているような季節です。6月下旬から7月上旬には、集中豪雨による水害の発生も予想されております。十分に注意しましょう。

 2月にロシアによるウクライナの軍事侵攻が始まり、戦争の悲惨さを目の当たりにしております。我々は1日も早いロシアのウクライナからの軍の撤退と平和の回復を求めます。

 元駐ウクライナ大使の黒川祐次氏の著書「物語 ウクライナの歴史」によれば、ウクライナ史の最大のテーマは、「国がなかったこと」だそうです。実際、ウクライナは1991年にソビエト連邦が崩壊するまでは独立した国としては存在しておらず、ロシア帝国やソビエト連邦の一部として存在してきました。ウクライナという国は本来非常に豊かな国で農業では日本の全面積と同じぐらいの耕地面積を有し、21世紀の世界の食糧危機を救うのはウクライナであるという予想さえあります。また、大工業地帯でもあり科学技術の水準は極めて高く、ソビエト連邦の最先端のミサイルを生産していたのは実はウクライナだったとのことです。

 文化的にも優れており、チャイコフスキーやドストエフスキーはその先祖はウクライナ出身といわれ、ピアニストのホロビッツやリヒテルはウクライナ人です。
 このように本来素晴らしい国であるのがウクライナですが、ずっとロシアの一部であったため今でもロシアはウクライナを他国とは見なしていないのかもしれません。今回の軍事侵攻も侵略とは思わず、国内の反乱を鎮圧しているという意識かもしれません。それゆえ、国際社会からの解決が困難なのではないでしょうか。

 このロシアのウクライナ軍事侵攻のため、歯科が治療で用いる銀歯の材料に含まれるパラジウムの価格が高騰しています。これは、パラジウムの生産の約4割をロシアが占めているからです。パラジウムは希少貴金属ですが歯科の保険診療で用いる銀歯の材料として欠かせないもので、この4月に銀歯の材料価格が1g当たり3,149円に引き上げられました。ちなみに、銀歯1個当たりこの材料を2〜3g使用します。ところが価格高騰があまりに急激なので、さらに5月から1g当たり3,413円に引き上げられました。さらに7月には1g当たり3,715円に引き上げられる予定です。侵攻前に比べると約26%の引き上げになります。このような状況が続くと患者の皆さんの大きな負担増になるとともに、歯科医院の経営も大きく圧迫します。
 このような価格高騰は様々な分野に及んでおり、私たちの生活を大きく圧迫しつつあります。

 軍事侵攻を1日も早く終わらせ平和を回復させるために、私たちもできることをやりましょう。

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寝たきりの方の歯科往診

早いもので、5月5日はもう立夏です。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
寒暖の差が激しかった春からいよいよ本格的な夏に向かいます。
熱中症の発症者は5月に最も多いとも言われ、熱中症対策をそろそろ意識する必要があります。
新型コロナウイルス感染症も第6波が収束しないまま5月以降に第7波に突入することが予測されています。
新型コロナウイルス感染症発生から2年が経過し自粛生活には疲れ切っている方も
多いかと思いますが基本的な感染予防対策を引き続き守りながら日常生活を大切にしていきたいものです。

 さて、やむを得ず寝たきりの状態になってしまったお年寄りに対して、近来、地域住民や行政や歯科医師会の努力で、自宅において健康保険の給付の対象として歯科の治療が受けられるようになっています。
寝たきりのお年寄りは、脳血管障害、高血圧、心臓病など、きわめて重いたくさんの病気を持っていると同時に、認知症などを伴っていることもあります。一方、歯科の治療は様々な医療機器を使用し、複雑で専門的な診療になることで、患者さんには、心理的な負担を与えがちで、歯科医院の中で行う治療とはなかなか同じようにはいかないのが現状です。一般的には、壊れて使えなくなった入れ歯の修理や調整、歯の痛みに対する応急処置、口腔ケア、歯と口の健康指導などがよく行われている内容です。

 歯科の往診を依頼する場合は、ご家族が、まず、患者さんの訴えをよく聞いたうえで、主治医の先生とよく相談してください。患者さんのお口の中がどういう状態か把握するためにも、ご家族が日常的によく見てあげ、手入れしてあげることが必要です。
今では、どこでも、この歯科訪問診療の制度を受けられますので、ケアマネージャーやかかりつけの医師、場合によっては役所にお尋ねください。
生協王子歯科にも、お気軽にご相談ください。

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4月から診療報酬が改定されます

生協王子歯科は、一般の会社と同じく、3月31日で2021年度という事業年度が終わります。いわば、「第2の大みそか」のようなものです。2021年度は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持・御支援をいただきありがとうございました。2022年度も、生協王子歯科職員一同は、地域の皆様の健康を守るために頑張りますので、よろしくお願いいたします。
2022年は4月1日より2年ぶりに診療報酬が改定されます。診療報酬は、「医師の報酬」と誤解されがちですが、そうではなく、保険診療の医療行為を行うために要するすべての費用を賄うために、国がその医療行為ごとの対価を設定しているもので、医療従事者の賃金、医療材料費、医療機器の購入・修理費、光熱費や家賃などの設備運営費、検査費用、入れ歯や冠の製作費など、とにかく全ての費用を診療報酬で賄います。
今回、歯科では、0.29%の引き上げとなりましたが、これではもともと低い診療報酬のため経営基盤の弱い歯科医院がコロナ禍での受診控えや院内感染防止対策のための経費増によりさらに経営困難に陥っている状況を解消するには全く不十分です。我々は、今後も地域の皆様とともに歯科医療をより良いものにするため、診療報酬の改善に頑張ります。
このような今年度の改定ですが、それでも今回、超高齢社会・地域包括ケアの対応に加えて、基本的な技術についての評価が、若干、引き上げられました。医科の病院・診療所や介護施設との連携をさらに推進し、新型コロナウイルス感染症対策を含めた院内感染防止対策が講じられた歯科医療機関で安全・安心の歯科医療を受けることができることとしています。生協王子歯科は、開設当初より院内感染防止対策に努め安全・安心の歯科医療を第一としています。また、食べたり飲み込んだりするお口の機能の低下に歯科として対応する対象年齢がこれまで65歳以上でしたが今回50歳以上に引き下げられました。
診療報酬改定のより良い部分を活用して、地域の皆様の口と歯の健康を守るために引き続き努力いたします。
入れ歯や歯周病でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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歯周病について

早いもので今年ももう3月です。
3月は年度の最後の月で卒業、進学、就職、転職など環境が大きくかわる方も多いと思います。暖かくなってきますが新型コロナウイルス感染症流行はまだまだ続いており予断を許さない状況です。
引き続き感染予防対策に努め、健康管理を怠らないようにしましょう。
今月はあらためて成人の8割が感染し世界最大の感染症といわれる歯周病についてお話しさせていただきます。
歯周病とは、歯を支えている歯周組織、すなわち、セメント質、歯肉(歯ぐき)、歯根膜と歯槽骨の病気です。歯周病には、「歯肉炎」と、歯根膜や歯槽骨がやられてしまう「歯周炎」があります。
この病気の直接の原因は歯にたまる細菌のかたまりのプラークです。その細菌群に感染した歯肉が炎症を起こし、赤く腫れた状態になるのが「歯肉炎」です。歯肉炎ならまだ症状は軽く、バイ菌、すなわちプラークをしっかり取り除いてあげれば、炎症はおさまり、再び健康な歯肉を取り戻せます。
ところが、「歯周炎」になってしまうとこれは厄介です。これは、歯肉炎とは違って、歯と歯肉との間でそれらをつなぎとめている機能をもつ繊維である歯根膜までもが、細菌に浸されていくのです。歯と歯肉の間にポケットといわれる隙間ができ、それが歯を磨くと出血する原因になる。この症状が出ると、軽い歯周炎に侵されているのです。
歯周炎はレッドコンプレックスといわれる悪性の細菌がプラーク中にあると進行します。
細菌は隙間を中へ中へと侵食していきどんどん奥まで入り込んでいくのです。そうなると、炎症はもっと悪化し、歯肉は化膿していく・・・。そして、ポケットがどんどん深くなっていきます。ポケットの奥深くに入り込んだ細菌は歯肉、歯根膜だけでなく、歯槽骨にまで影響を及ぼします。細菌が産み出した毒素によってどんどん症状は悪化、骨を溶かしてしまうのです。この時に、無理な力が骨にかかると、その分、骨の溶けていく度合いが増します。ストレスからきている歯ぎしりもその一因です。歯を支えてくれていた骨の組織を失った歯は、やがてグラグラしてきて、そして抜け落ちていってしまいます。
そんな事態を避けるためには、まずは普段からの自覚、歯肉のチェック、そして何といっても毎日の正しいブラッシングが大切です。
また歯周病は、糖尿病との関係が深いと言われています。糖尿病患者の方に対し、歯周病の治療・管理を行うことにより、血糖コントロールが改善したという報告もあります。
歯周病の治療は糖尿病の治療にもつながります。糖尿病の方は、歯科医院で受診する際に、必ず「血糖値が高いと言われている」、「糖尿病の治療を受けている」ということをお伝え下さい。

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WHO世界保健総会

早いもので2月4日は立春です。暦の上では春ですが、実際は2月は寒い日々が最も多い月とも言われています。新型コロナのオミクロン株が大流行しており1月22日の東京都内の新規感染者は1万人を超えました。オミクロン株は感染しても軽症者がほとんどであると言われていますが、東京都では救急搬送先が長時間見つからない事例が過去最多になっており、「救急患者の受け入れ態勢が逼迫している」と関係者は危機感を持っています、我々は通常の感染対策を、しっかり遵守しましょう。

2021年5月31日にWHO(世界保健機関)は世界保健総会を開催し、その決議で口腔に関する以下の報告を提起しました。

口腔疾患は非常に蔓延しており、35億人以上が罹患していること、口腔疾患は非感染性疾患と密接に関連しており、かなりの健康的、社会的、経済的負担につながっており、一部の国では顕著な改善が見られるものの、劣悪な口腔衛生による負荷は今も、特に社会の最も脆弱な人々の間で見られます。

永久歯の未治療のう蝕(虫歯)は23億人に発生しており、5億3000万人以上の子どもが未治療の第一生歯(乳歯)のう蝕に苦しんでおり、7億9600万人が歯周病に罹患しており、さらに乳幼児期のう蝕率は、脆弱な状況にある人の中で最も高く、これらの大部分予防可能です。

また、口腔がんは世界で最も多くみられるがんであり、毎年18万人が死亡しており、一部の国では口腔がんが男性のがん関連の最大の死亡原因となっています。

さらに、劣悪な口腔衛生による経済的負荷と、世界の口腔疾患の直接的および間接的コストが5450億米ドルに上り、劣悪な口腔衛生は、糖尿病や循環器疾患同様に、最もコストのかかる健康領域の1つになっています。

また、劣悪な口腔衛生は、痛み、不快感、幸福および生活の質の欠如に加え、学校の常習欠席および職場の常習欠勤につながり、さらに学習不足や生産性低下につながります。

劣悪な口腔衛生が身体的および精神的な生活の質および健康な高齢化に影響を及ぼし、劣悪な口腔衛生は、高齢者、特に介護施設に住む高齢者、および障碍者の肺炎の一般的原因となっています。

劣悪な口腔衛生が全身の健康状態に大きく影響し、循環器疾患、糖尿病、がん、肺炎、早産特に関連性が強くなっています。

口内から始まる壊死性疾患である壊疸性口内炎は、主にアフリカの一部の地域の貧しいコミュニティの子どもの患者に対して90%の致死性を持ち、生涯にわたる障害としばしば社会的排除につながっています。

劣悪な口腔衛生の負荷は国家間および国内の重大な不平等を反映しており、低中所得国に不均衡な影響を及ぼし、主に社会経済的背景の低い人々のほか、年齢や障害のため自らでは口腔衛生を維持できない人など、その他のリスク集団に影響を及ぼしています。

と、報告しています。

口腔疾患は世界的な問題です。

生協王子歯科は、地域から口腔の健康を守るための役割を果たします。

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明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
昨年も生協王子歯科は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持、御支援を頂き、ありがとうございました。
昨年初頭から続く100年に1度のパンデミックと称されるコロナ禍は、日本ではこの秋以降かなりの落ち着きをみせています。
WHOの技術チームが「2022年はコロナが収束する年になる。信じられないかもしれないが希望は見えている」と述べています。技術チームは「コロナによって命を落とさなくていい方法がある」と付け加えました。具体的な言及はありませんでしたが、ワクチンとブースターショット、治療薬などを念頭に置いたようです。コロナウイルスは「普通の風邪」になるはずであり、深刻な症状を誘発せず、人類は日常的生活に戻るという見方です。1918年のスペイン流感(流行性感冒)と2009年新型インフルエンザも似たパターンだったといいます。
ただ、昨年末より感染力の強い変異株であるオミクロン株の出現・拡大が伝えられており、私たちは気を緩めることなく過剰に不安になることもなく、必要な感染対策を続けていきます。
博報堂生活総合研究所が生活者にきいた「2022年 生活気分」を以下の通り発表しました。

  • ●2022年の景況感

    今年の景気が「悪かった」ことの反動で、来年の景気予想は「良くなる」が過去最高

  • ●2022年にお金をかけたいこと

    1位「旅行」、2位「外食」、3位「貯金」。いずれも「今年お金をかけた」を上回る。

  • ●始めたいことは「運動・体操・筋トレ」、やめたいことは「無理しての人付き合い」

    全体として、コロナ禍での自粛生活の反動が見られます。ただ、やめたいことの「無理しての人付き合い」は、人間関係構築が難しくなっていると言われている現代社会の反映でしょうか。

人間関係は、近すぎず遠すぎず自然体でいきたいものですね。
今年もよろしくお願いいたします。

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年末年始に歯が痛くなったら

2021年も、残すところわずか1ヶ月になりました。今年もコロナ禍が続く中、組合員、地域の皆様に生協王子歯科をご支援、ご支持いただき、ありがとうございました。生協王子歯科職員一同、厚く御礼申し上げます。
年末はスケジュールに追い回され、身体も口の中も、最悪のコンディションに置かれます。それが、お正月になって緊張感やストレスなどから解放され、今まで何ともなかった歯や歯肉がじわじわと浮いてきてしだいに咬めなくなり、ついには痛んだり腫れたりして、せっかくの楽しいお正月が台無しになってしまうことがよくあります。
歯科医療情報サイトの『EPARK歯科』には、歯が痛い時のすぐできる対処法として以下のように紹介されています。

    T.市販の痛み止めを服用する。
    歯の痛みに対し市販薬を選ぶ時は、下記のポイントをチェックするとよいでしょう。

  • @痛みの緩和に役立つ成分が含まれているか。

    具体的には、以下の成分が歯の痛みに有効です。
    ・イブプロフェン
    ・ロキソプロフェン
    ・アセトアミノフェン

  • A薬の効能に「歯痛」「抜歯後の疼痛(痛み)」と明記されているか。

    鎮痛剤には様々な種類があります。抑えたい症状に対し、効果があるかを確認してから購入しましょう。

  • B効き始めるまでの時間が短いか。

    歯の痛みはできればすぐに抑えたいと思うものです。液体カプセルタイプの薬は溶けやすく、薬の効能が発揮させるまで比較的(少なくとも錠剤タイプと比べて)短い時間で済みます。錠剤タイプの薬にもメリットはあり、多少時間がかかるものの吸収されれば優れた効果を発揮するものがあります。その他、歯痛の緩和を特徴とする鎮痛剤もあります。薬局やドラッグストアで薬剤師さん、登録販売者さんに相談し、購入することをお勧めします。
    ・正露丸
    正露丸を虫歯の穴に詰めることで痛みが緩和させることが、製薬会社HPで紹介されています。

U.冷やす
虫歯による痛みの場合、冷やしたタオルを患部に近い頬に当てることで、痛みを和らげることが出来ます。おでこに貼る冷却シートを頬に貼ったり、氷を口に含んだりするのも効果的です。冷やしすぎると逆効果になるため、長時間氷や冷水を使うのは避けてください。また、軽度の虫歯や歯周病は、冷やすことで痛みが増すことがあります。痛んだり腫れたりして熱を持っている場合に冷やすなど、様子を見ながら行ってください。

V.口内を清潔にする
食後に歯の痛みを感じる場合は、柔らかい歯ブラシや、デンタルフロス、うがい薬などを使用し、口内を清潔にしてください。食べカスが原因で引き起こされている歯痛は、取り除くことで軽減できます。口内を掃除する際、痛みを感じる歯を刺激しないように注意してください。

もし年末年始に歯が痛くなったら、北歯科医師会の休日歯科診療所(電話番号:3900−5009)にご連絡下さい。受付時間は午前9時から午後5時までです。
歯科の休日診療は、入れ歯が壊れたり、転んで歯が折れたり、急激に歯が痛くなった時などに治療してもらえます。その場合、休日のため応急処置に止めることが多いので注意が必要です。たとえ応急処置で痛みが消えても、休みが明けてからきちんと歯科医院に通院して治療してもらいましょう。

それでは来年が皆様にとって良い年であることを、お祈りいたします。

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寒くなってきましたね

早いもので、11月7日(日)はもう立冬です。
立冬と聞くと「もう冬が来たのかなあ。」と思ってしまいますが、11月のはじめはまだ紅葉も十分ではないので冬にしては早い気がします。
立冬というのは、昔、中国北部の内陸地帯で作られた二十四節気という古い暦に出てくる季節の区分の一つです。これは精密にできた暦ですがこの地域は日本より寒冷な地域であるため季節感が異なるからです。
また、11月は霜月とも呼ばれます。
11月は霜が降りるにはまだ早い季節ですが、もともとは陰暦での11月の呼び方だったものを現在の陽暦の11月にもそのまま持ってきたので、これも季節感が異なります。
陰暦の11月は陽暦では11月下旬から翌年1月上旬頃に相当するからです。
ただ今年は10月の下旬から11月、12月並みの寒さが到来しています。現在落ち着いている新型コロナウイルス感染症も冬に向かうにつれ再拡大する懸念もあり、さらにインフルエンザ流行の季節にもなります。皆さん、十分ご自愛ください。
寒くはなってきますが、時には星空を見上げるのも心を落ち着かせてくれます。
国立天文台天文情報センターによれば、11月は、月に関する現象が2つ起こります。
まずは8日の昼間に、月が金星を隠す金星食が一部の地域を除いて起こります。白昼のため、現象自体の観察には双眼鏡か望遠鏡が必要ですが、夕方には現象直後の月と金星が寄り添って見えることでしょう。
また19日には全国で部分月食が起こります。
夕方の空では、西から南にかけて金星、土星、木星といった惑星が明るく輝いています。土星よりも遠い惑星、天王星が5日に衝となり、見ごろを迎えます。
別の季節では暗くて見えづらい惑星が見えるかもしれないと思うと少し楽しみです。

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10月8日は入れ歯感謝デーです!

今年も7月から9月にかけて暑い日が多かったですが、ようやくめっきり秋めいてまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
10月は、神無月とも言い、島根県の出雲大社に全国の神が集まって1年のことを話し合うため、出雲以外の地域ではその地域を守る神がいなくなるので、充分な注意が必要であると言われています。
これは俗説のひとつと言われていますが年末まで3カ月となり、年末に向けてやるべきことを整理し、しっかりと準備しましょう。

10月8日は入れ歯感謝デーです。
この日は数字の「1,0,8」を語呂合わせで「入れ歯」と読んで入れ歯感謝デーとしたもので「入れ歯や歯に被せる冠などを作る歯科技工技術に感謝する」という意味を込めて入れ歯や歯に被せる冠を作る専門職である歯科技工士の団体である公益社団法人・日本歯科技工士会が2005年に制定しました。
この記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。
虫歯や歯周病で歯が形を失ったり、歯が抜けてしまったりして食べ物を咬むことに不具合が生じた場合に歯科医師の診察をもとに入れ歯や歯に被せる冠を作成するのが歯科技工士という専門職の仕事です。
この歯科技工という仕事は高度の専門知識と精緻な技術を必要とし、この技術で作成された入れ歯や歯に被せる冠を用いて虫歯や歯周病で咬むことが困難になった方の食生活を回復し、暮らしの改善から心の健康も豊かにします。
10月8日は、この歯科技工という技術がいかに大切なものであるかを考える機会にしていただけばと思います。
入れ歯や歯に被せる冠のことで何かあれば生協王子歯科でお気軽にご相談ください。

生協王子歯科では常勤の歯科技工士が歯科医師とともにご相談だけでなく現在使用されている入れ歯が壊れた場合の修理にも対応しております。

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−9月とはいえ、まだまだ暑い日が続いております。−

皆様、いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルス感染症がますます猛威を振るっております。収束はまったく見えませんが、自分と自分の周りの人たちを守るためにできることはしっかりやっていきましょう。
9月1日は、防災の日です。この日が防災の日となったのは、1923年9月1日(98年前)に関東大震災が起きたので、この震災を忘れず災害に備えようということからです。また、9月1日は立春から数えて210日目の日で、この時期は台風が多く災害も発生しやすいことも防災の日となった理由とされています。関東大震災は東京都及び神奈川県を中心に関東地方に大きな被害をもたらした大地震で、死者行方不明者数は推定10万5千人、東京都内の家屋の約6割が主に火災が原因で失われたといわれています。9月1日から1週間は防災週間とされ防災について様々な関連行事が行われ、防災についての再確認を行うこととされています。

小学館の情報サイトでは、防災週間に以下のことを確認することが提起されています。

  • @防災マップで地域の避難場所を確認する

    国土交通省や各市町村で防災マップやハザードマップなどが作られています。それらで、自分が住んでいる地域でどんな災害が予測されるかを把握し、自宅から近い避難場所がどこにあるのかを確認しましょう。

  • A防災グッズを確認する

    携帯ラジオや非常食、救急品などを詰めたリュックは、「防災の日」に、中身を確認するようにしましょう。

  • B家具の転倒防止対策を行う

  • C食料や飲料の備蓄を確認する

    万が一の場合に備えて、非常食や飲料水を1週間分ほど準備しておきたいものです。

  • D家族同士の連絡手段を確認する

    災害時は電話がつながりにくくなることが想定されていますが、携帯電話や固定電話から利用できるNTT災害伝言ダイヤル「171」で安否確認を行うこともできます。
    生協王子歯科では、毎年、王子消防署の消防士の方にお越しいただき、全職員参加の防災訓練を実施しております。

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−猛暑を乗り切りましょう!−

早いもので8月7日(土)はもう立秋ですが、7月20日ころからの猛暑は9月上旬ごろまで続くかもしれません。命にかかわる暑さに充分気をつけていきましょう。
環境省と気象庁は危険な暑さが予想される場合には、「熱中症警戒アラート」を発表します。気温や湿度などから算出した「暑さ指数(WBGT)」の予想値が「33以上」になる場合に、両省庁のウエブサイトで発表されます。また、天気予報とおなじように気象庁から報道機関や地方自治体に伝えられ、テレビやラジオ、防災無線などからアラート情報を受け取ることが出来ます。どうぞ、熱中症の予防にお役立てください。
冷たくて口あたりのよいジュース・アイスクリームなどについつい手が伸びてしまいますが、食べすぎると胃腸を疲れさせ、食欲を減らし「夏ばて」の原因になります。暑さに負けないためには、栄養のバランスを考えて脂肪やたんぱく質、ミネラル、ビタミンなどの補給に気を付けて、偏食しないことが大切です。みょうがやしょうがなどの薬味をプラスすると食欲が刺激されます。水分の多いトマトやなすなどの旬の夏野菜は値段も手ごろで栄養もぎっしり詰まっています。豚肉や納豆、梅干し、小松菜、ニラ、にんにくなど、夏ばて予防に効果的な食材をとることも良いと思います。
睡眠も大切です。快眠セラピストの三橋美穂さんが、熱帯夜でも快眠できる5つのポイントを提唱しています。以下の通りです。

  • @室温は28度以下

    熱帯夜では28度以下でエアコンをつけっぱなしにしましょう。タイマーにすると、切れた時に暑くて目が覚め睡眠を妨げます。

  • Aパジャマは長袖・長ズボン

    寝冷えしないため、パジャマは長袖・長ズボンにして冷気が直接体に当たらないようにしましょう。

  • B寝る30分前にはきれいな空気を

    寝る30分前に窓を開けて、換気をすることで深い眠りへと導いてくれます。

  • C頭を冷やす

    スーパーなどでもらう小さな保冷剤を3つ程度冷やしハンカチなどでくるみ、枕の中央に置きましょう。脳の温度が下がり寝つきがよくなります。

  • D就寝の1〜2時間前に入浴を

    体の中心部の体温「深部体温」が下がると眠くなるので、就寝の1〜2時間前に入浴で体温を上げでおくと、眠りにつくタイミングで体温が下がり寝つきがよくなります。

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−歯科とレントゲン−

今年も半分が過ぎ、もう7月となります。暑さが本格化し熱中症に充分、備えるべき季節となりました。新型コロナウイルス感染症は新たな感染拡大も懸念されており、暑気払いしたくなる時期ですがまだまだ警戒が必要です。
先日、当歯科の歯科医師、歯科衛生士、歯科助手全員が法でさだめられた医療放射線安全研修をオンラインにて受講しました。
今月は、「歯科とレントゲン」についてお話ししたいと思います。
歯周病や虫歯の進行程度、顎の骨の状態、歯の根の神経の治療、腫瘍や骨折、顎・顔面の発育診断など、歯科疾患の診断で、レントゲンは必要欠くべからざるものです。歯科では、口の中にフィルムを入れて一度で数本の歯を撮影するデンタル・レントゲンと、一度で口の中の総ての歯と顎、関節、骨などが撮影できるパノラマ・レントゲンが主流になっています。歯科医師はレントゲン使用に際し、充分にして必要最小限にとどめるだけでなく、X線装置の整備、感度の高いフィルムや鉛入りのエプロンの使用など、最小限の線量で最大限の診断価値を得ようと努力しています。
レントゲンは利用価値が高い反面、弊害を含んでいることも確かです。通常、歯科で用いられるレントゲンの線量はごく微量で、150万回撮影すると遺伝的な影響が起こる可能性があるとされていますが、実質的には人体に障害を起こすことはほとんどないと言われています。しかし、妊娠中の女性や、他の病気や怪我、健診などのレントゲンで線量が積み重なることも考えられますの、必ず、歯科医にその旨を伝えてください。
超音波診断やMRIの発展があり、放射線に被ばくしない検査が発達する現在ですが、骨の中を見るのに現在、欠かすことはできません。将来はわかりませんが現在は、手軽に安く、また比較的安全に検査ができるレントゲン検査に歯科医師は頼らざるを得ません。
当歯科では放射線量を二分の一程度に減らせるデジタルレントゲンを使用しています。デジタルレントゲンは撮影時間も短くパソコンで大きく画像を見ていただくことができ歯科疾患の状態をご説明するのにとても役立っております。


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今年度も歯と口の健康週間があり、北区無料歯科健診が始まります。

早いもので、今年ももう6月です。新型コロナウイルス感染症流行はすでに1年以上続いており終息の見通しは未だに見えておりません。
ただ感染症の実態はかなり解明されてきておりワクチン接種も始まっていますので、希望を失うことなく我々ができることを日々しっかりと行っていきたいものです。
これから暑さがきびしくなり熱中症のリスクにも備えなくてはなりません。
皆さん、充分にお気をつけください。
さて、今年も6月4日(金)〜6月10日(木)まで「歯と口の健康週間」が実施されます。この週間は、歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、合わせてその早期発見及び早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与することを目的としています。
今年度の標語は「一生を 共に歩む 自分の歯」です。
今年度の重点目標は、「生きる力を支える歯科口腔保健の推進〜生涯を通じた8020運動の新たな展開〜」です。
今年も北区が無料で実施する「令和3年度歯周病検診・口腔機能維持向上健診」が、令和3年6月1日から令和4年の1月31日までの期間に、「令和3年度歯周病検診・口腔機能維持向上健診会場」のポスターを掲示している北区内の歯科医院で受けられます。
受診の際はマスクを持参のうえ検(健)診時以外着用してください。また、風邪症状がある場合や、同居の方も含め過去2週間以内に発熱があった場合には、受診を控えていただきますよう、お願いいたします。なお、医療機関の判断で受診ができない場合があります。
歯科疾患は自覚症状を伴わずに発生することが多く、疾患がある程度進行した時点で症状が生じます。そのため、定期的に歯科健診を受診して、早めに歯科治療を受ける習慣を維持することが歯を失うことを抑制することが明らかにされています。歯や歯肉の健康を守ることは、身体や心の健康にもつながります。
また、75歳以上の方々は口腔機能維持向上健診を実施します。歯周病検診に加えて、口腔機能検査(咀嚼機能、飲み込み機能、口腔乾燥状態)を行うことで口腔機能の低下を防ぎます。歯周病と口腔機能の低下を予防して、一生自分の歯で健康に過ごせるように是非この機会に受診してください。
対象の方には個別に、北区健康福祉部健康推進課健康係から5月下旬にお知らせが送付されていることと思います。
希望される方は、区からのハガキ(受診券)が届きましたら、上記のポスターを掲示している歯科医院で事前予約をしてからお受け下さい。
だだし、勤務先等において受診機会のある方及び入院加療中の方は受けられません。
なお、生協王子歯科では、受診時にイソジンでうがいしていただきますので、薬などでアレルギーを起こしたことのある方や、甲状腺機能障害の診断を受けている方は、事前にお申し出ください。

*健診に関するお問い合わせは、健診コールセンターへ
  電話:03−3908−9034
     (午前8時30分〜午後5時まで。土曜日、日曜日、祝日、年末年始を除く。)


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歯科のイノベーション

早いもので、5月5日はもう立夏です。
コロナ禍の終息は、いまだみえませんがみんなでがんばってコロナ禍を乗り越える事がより良い未来につながるという希望を共有したいものです。
ここで、歯科医療の未来について述べさせてください。
日本歯科医学会が昨年作成した「2040年への歯科イノベーションロードマップ」をご紹介いたします。以下の3つの時期に分けて、予測が掲げられております。

◇第T期<2019年〜2025年>
・歯周病で失われた歯ぐきの再生が可能に。
・スマートフォンによる舌・口腔粘膜の検査が実用化。
・むし歯抑制、歯を強くする機能性材料が実用化される。
・天然歯に近い機能をもつ次世代バイオインプラントが開発。
・オーラルヘルスケアのための画期的新材料(歯磨剤,含嗽剤,歯のコーティング,義歯用材料)が開発される。
・はめるだけで歯磨きできるマウスピースが開発される。

◇第U期<2026年〜2032年>
・幹細胞とiPS細胞を使った歯の再生が可能になる。
・歯の神経や歯ぐきを修復する薬剤が開発。
・歯と一体化する修復機能材料が開発される。
・歯の神経と歯周組織の再生技術が実用化される。
・善玉菌の移植によるむし歯と歯周病の撲滅が始まる。

◇第V期<2033年〜2039年>
・悪玉歯垢細菌群を善玉歯垢細菌群に置き換えられる。
・塗薬で口腔がんを治す治療が実用化される。
・歯と一体化する修復治療が一般化する。
・歯の神経と歯周組織の再生治療が一般化する。
・天然歯に近い機能をもつ次世代バイオインプラント治療が一般化する。
・あらゆる世代においてむし歯,歯周病の撲滅が進行する。
・ロボットによる歯科支援システムが実用化される。

高齢者人口がピークとなる2040年に向けて、歯科界から明るい未来を描きたいというのが日本歯科医学会の主旨です。


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4月は新しいスタートの月です。

生協王子歯科は、一般の会社と同じく、4月1日より2021年度という新しい事業年度が始まります。いわば、「第2の新年」のようなものです。2020年度は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持・御支援をいただきありがとうございました。2021年度も、生協王子歯科職員一同は、地域の皆様の健康を守るために頑張りますので、よろしくお願いいたします。

4月は、就職、進学、転勤,異動など、新しい人生をスタートする方が多いと思います。昨年初頭から続いている収束のめどがいまだ見えないコロナ禍の下で、新しい人生をスタートされる皆さんのご苦労は大変なことでしょう。皆さんの将来が輝くものであることを願ってやみません。

人事戦略コンサルタントの鈴木孝枝さんは、新しいスタートを切るときにやっておくべき3つのことを提案していらっしゃいます。「準備8割 本番2割」という言葉にあるように、しっかり準備することが本番で自分を助けることになるということです。提案していらっしゃることは、以下の3つのことです。順番は、必ず、1、2、3、の順でやってください。適当にやると効果が半減します。

  • 【1.これまでの自分の棚卸】
    これまでいた場所で、得られたこと、出来るようになったことを最低3つ、出来れば 10個書き出す。
    …自分に自信をつける行動の一つ。新しくはじめることは、今までやってきたことを 何かしら土台にしてスタートすることになります。

  • 【2.大切な縁をさらに太くする報連相を行う】
    これから先の人生で長く付き合いたい人を3人以上書き出し、新しい場所で動き出すことを、直接電話、またはメールを送る。
    …自分の新たな決意や、覚悟、そして見守ってくれている人の存在を確認する行動と なります。親であったり、友人であったり、師であったりと、相手は誰でも構いま せんが、自分にとって、この先も付き合いたい、大切な人を選びましょう。

  • 【3.思考を現実にするためのシミュレーションをする】
    新しい生活をはじめた1日の流れを具体的に頭の中でイメージする。
    …まるで映画を見るかのように、朝、誰と挨拶し、日中はどんな筆記用具でメモを取 るのか、帰り道に見える景色、夜リラックスに何をするか、を時間の経過と共にシミュレーションを。
    未来の3歩先を見えるようにするためには、この「想像力」が必要です。

生協王子歯科は、この4月から新しい研修歯科医師の臨床研修をはじめます。この歯科医師が地域包括ケアシステムのしっかりとした担い手なるために、皆さまのご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます

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2月13日午後11時7分頃、福島県沖を震源とする地震がありました。

東京もかなり揺れ、夜遅くで揺れている時間も長かったので皆さんも怖い思いをされたかと思います。
東日本大震災の地震の余震とのことで、総務省消防庁が2月15日まとめたところによると、負傷者が福島県で83人、宮城県で52人など、東北、関東の10県で57人に上りました。

今回の地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

余震といえば、大きな地震(本震)が起きた数日後にそれよりは弱い地震として起きるイメージがあります。震度6強という、かつてなら最強クラスの地震が、本震の10年後に余震として発生するということに驚いてしまいます。

東京大学地震研究所の加藤尚之教授(地震学)は「大きい地震が起きると断層が動き、岩盤にかかる力が再配分される。その力を解放しようしてまた起きる地震が余震となる」と説明されています。さらに「余震が100年以上続くことも不思議ではない」とも言われています。

その一例として加藤教授が挙げるのが、1891年10月に岐阜県南部の本巣郡西尾根村(現・本巣市)を震源にした「濃尾地震」です。この地震はM8.0の規模で、岐阜・愛知両県を中心に死者7千人を出した日本史上最大級の内陸直下型地震でした。今年でちょうど発災後130年になりますが、加藤教授は「その余震は、今も現在進行形で起きている。」とおっしゃっています。「大地震の後、頻度はだんだん少なくなっていくが、大小さまざまな規模で余震は続く」とのことです。コロナ禍は続いておりますが地震への備えも忘れてはなりません。

地震に際して避難した際におろそかになりがちなお口の健康の維持のため、参考として以下のような準備はいかがでしょうか。

避難場所で歯ブラシがない場合などのお口の健康の維持方法

口腔ケア学会などの資料によれば、避難所に歯ブラシが無い時に備えた防災備蓄としての「口腔ケア製品セット」を準備して置くのが望ましいです。

<口腔ケア製品セットの内容>

  • やわらかめの歯ブラシ
  • ノンアルコール系マウスウォッシュ(1回×1包)×3日分
  • キシリトール入りシュガーレスガム
  • 啓発用パンフレット

<口腔ケア製品パックに貼るシール内容>

名 前
●口腔ケアセットの使い方●
飲食後に使いましょう
  1. :キシリトール入りシュガーレスガム
    よく噛んで、お口をすっきりさせましょう。
  2. :歯ブラシで汚れを軽く落とします。
  3. :最後に洗口液(1回1包)で口をすすぎます。
この洗口液は飲み込んでも害はありません。
※水や歯ブラシが入手できなければ、タオルやティッシュペーパーなどで歯の表面を擦って、できる限り歯垢を除去するようにしてください。液体ハミガキ(デンタルリンス)や洗口液を併用すると歯垢を除去しやすくなります。また、唾液腺をマッサージしたりシュガーレスガムを咬んだりしてできるだけ唾液を分泌するようにした方が良いです。
※水や歯ブラシが入手できれば、うがいは少量の水に分けて1日何回も行う方が効果的です。
※チューブ入りの通常の歯磨き剤は使用するとたくさんの水が必要なので、使わない方が良いです。
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今年の立春は2月3日です。

早いもので2月3日は立春です。豆まきの「節分の日」は2月2日になります。
この2月3日が立春になるのは1897年以来、なんと124年ぶりです。
国立天文台暦計算室の片山真人室長によればこのように立春の日が変化するのは暦は天体の動きに即して決めており季節がずれていかないように調整しているからだそうです。地球が太陽を1周する「1年」は、ぴったり362日ではなく、365日+6時間弱。この端数のせいで、立春の時刻は、年々少しずつ遅くなっていきます。
4年たつとほぼ1日遅くなるために4年おきに1日を増やして調整するためにうるう年を設けていてうるう年によって、立春の時刻は4年ごとに約45分早くなっていきます。さらに細かい補正のために西暦が100で割り切れ400で割り切れない年は、うるう年を減らしているとのことです。
細かい仕組みはなかなか理解できませんが暦無くして私たちの生活は成り立ちません。
暦を作った先人の知恵に感謝するばかりです。
暦の上では春ですが、実際は2月は非常に寒い日々が続く事が多い月です。警戒されていた「コロナの冬」となり新型コロナウイルス感染症60パーセントに保つことが新型コロナウイルス感染を抑制するために適切であると専門家も言っております。
繰り返されておりますがマスクの着用、三密を避ける、など感染予防の基本を守り、自分と周りの皆さんのお身体を大切にしましょう。

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あけましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
昨年も生協王子歯科は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持、御支援を頂き、ありがとうございました。
昨年を象徴する漢字として「密」が選ばれました。 新型コロナウイルス感染症予防対策の一環として提唱された3密(密集、密閉、密接)を避けることが広く浸透したため、誰もが昨年を象徴する漢字として納得するものでした。新型コロナウイルス感染症は2021年においても感染拡大は続くと思われ、引き続き十分な注意が必要です。2020年はこのように予想もしない大変な年になりましたが、2021年もどのような年になるか全く予想できません。予想できませんが、私達は毎日の生活を放棄することができないので、2021年を生きるための心構えにするために、2021年の干支について調べてみました。
2021年は「辛丑(かのとうし)」です。

    「辛」の意味は、
  • 下にあるエネルギーが上に上昇
  •  
  • 上に向かって求め冒す
  •  
  • その過程で「つらい」「からい」がある
  •  
  • 新しいと同時に「からい」という意味
    「丑」の意味は、  
  • 赤ちゃんが右手を伸ばした姿
  •  
  • 曲がっていたものが伸びる
  •  
  • 始める、結ぶ、つかむ

それぞれの字の意味は分かりますが、では、私達はどうしたらいいのかということはよく分かりません。同じ干支である1961年に起こったことを見てみると、私が気になったのは、坂本九さんの「上を向いて歩こう」が大ヒットしたことです。
この歌は世界でヒットし、アメリカでもヒットチャート1位になりました。この歌の心構えで、2021年を過ごして行ければと思います。つらいことは続くと思いますが、上を向いてがんばっていくこと、あたりまえのことをあたりまえに地道にやっていくことが、2021年を過ごして次につながると期待して、ともにできる範囲でがんばりましょう。
2020年は、「不急の歯科治療は延期考慮を」などとした厚労省の事務連絡がマスコミに取り上げられ、歯科医療機関と患者・国民に多大な混乱をもたらし、深刻な受診抑制を招きました。現時点で歯科において感染拡大やクラスター発生の事例はありません。
生協王子歯科は、2021年も感染予防にしっかり努め、地域医療を守るための責任を果たします。

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今年もたいへん、お世話になりました。

 本格的な冬将軍の到来も間近、いよいよ今年最後の月となりました。
 今年は世界規模のパンデミックである新型コロナウイルス感染症流行の下で様々な脅威が人々を襲い、実際に感染したり生活困難に陥らなくても強い精神的ストレスにさらされ、自分では気付いていなくても、うつ症状や性格が変化した人が増えていることが明らかになっています。
 うつ症状になった時はしっかり休むことが必要といわれますが、自営業の皆さんなど休むと生活が破綻してしまう方もいらっしゃいます。休める時は休んだ方が良いのですが、休めなくても何でも良いので自分の好きなことをする時間を少しでも確保することがうつ症状の悪化を防ぐとも言われています。「ぼうっとテレビを見る」、「親しい人とおしゃべりをする」など、何かしら自分を大切にするための時間を作りましょう。
 自律神経症第一人者である順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生が、以下の事を提案していらっしゃいます。試しにやってみてはいかがでしょう

*1日の終わりに3行日記をつける*
1日を振り返って、以下の3つの項目をノートに書きだしましょう。

  1. 今日、一番失敗したこと
    (失敗をうやむやにせず受け止め、ネガティブな感情を流すこと を意識してください。)

  2. 今日、一番感動・感謝したこと
    (取るに足らないことでもいいので、その日最も心が動かされたこ とを書きましょう。これに気を付けるようになると幸せの感度が 上がっていきます。)

  3. 明日の目標、またはストレスの解決方法
    (未来へのビジョンをイメージしてモチベーションを上げることが できます。)

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京都アニメーション

 早いもので、11月7日はもう立冬です。立冬と聞くともう冬だなあと思うのは、伝統を大切にする生活を送っている日本人にこそ沸き起こる感情でしょうか。11月になると、急に朝夕冷え込んでまいります。皆様、お体にはお気をつけください。
 今、アニメ映画で「鬼滅の刃」が話題になっています。公開3日間で興行収入46憶円、観客動員340万人という驚異的な記録を作っています。私は、原作の漫画をスマホの電子書籍版で全巻読み、読みだしたら止まらないその面白さはよく分かりました。人気の理由としてある心理学者が、一つ一つ問題を解決しながらストーリーが進んでいく物語が多い中、主人公の竈門炭治郎の次々に迫りくる解決されない苦境の中でも負けずに前に進んでいくひたむきさが、コロナ禍の中でがんばっている現在の日本人の共感を呼んでいるのではないかと述べております。
 最近、私は、京都アニメーションの「ヴァイオレット・エバーガーデン」の映画版を見ました。昨年、放火殺人事件で36名の死者と33名の負傷者という理不尽でむごい目にあった京都アニメーションが事件後初めて製作したアニメ映画を観に行くことで、京都アニメーションを応援したかったからです。したがって、この作品の内容を全く知らないで観たのですが、ストーリー、世界観、映像のすばらしさに感動しました。時代は19世紀のヨーロッパのような架空の国で戦争中に両親を失い孤児となり戦争の単なる道具の一兵士として軍に育てられ、自分自身も両腕を失い義手を装着している主人公の少女ヴァイオレット・エバーガーデンが戦争終了後手紙の代筆をするドールという仕事につき、当初は感情を持たずまともに話すことが出来なかったのに、代筆を通じて様々な感情を知り依頼人が内に秘めた思いをくみ取った手紙まで書けるようになり、その手紙が評判を呼ぶようになったということを中心にストーリーが進んでいきますが、この作品の基本的なメッセージは、生きていく上にはいろいろなことがあり、とても辛いことや悲しいことがあった時にヴァイオレットのことを思い出して、明日また頑張ろうと顔を上げて進んでいってほしいという事です。
 昨年のあの大変な事件からまだ1年も立たないうちにこのような作品を作り上げた京都アニメーションに驚くとともに、そのメッセージを真摯に受け止めたいと思っています。

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共同組織拡大(なかまづくり)月間です!

めっきり秋めいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
10月は、島根県の出雲大社に全国の神が集まって1年のことを話し合うため、出雲以外の地域ではその地域を守る神がいなくなるので神無月とも言い、島根県だけは神在月というそうです。これは中世以降に作られた俗説とのことですが、年末まで残り3ヶ月間、改めて心を引き締めるようにとの意味で広く信じられています。
今年は新型コロナウイルス感染症流行の年であるばかりでなく、インフルエンザも流行してくる時期となりますので、更なる注意が必要です。
10月から生協王子歯科の加盟する東京民主医療機関連合会では、共同組織拡大月間が始まります。共同組織とは、東京民主医療機関連合会に加盟する法人、事業所を支える地域住民や患者の皆さんで構成する組織で、生協王子歯科の属する東京ほくと医療生協では、生協組合員の皆さんのことを意味します。
東京ではほとんどの日で100名以上の感染者が確認され、感染拡大は続いています。秋から冬にかけて大きな流行が来ることが予想され東京民医連の全事業所、共同組織でしっかりとした感染防御が求められています。その上で、今年の月間はいわば「特別な月間」としてコロナ禍の下でもできること、しなくてはならないことの探求が求められています。
東京民主医療機関連合会には、共同組織の皆さんの現況が報告されています。
「家から出ないようにしている」、「運動不足で足腰が弱くなった」、「診療所へは行きたいが不安」、「自宅で体操していますが、みんなと会いたい」、「熱が出た時にはどこへ行けばよいのか・・・」、「ライン仲間に助けられている」、「一人暮らしで不安」、「外出できず気が滅入る」、「買い物は息子に頼んでいる」、「給付金の申請方法が分からない」など切実な声が寄せられています。一方で「元気です」、「特に困っていることはない」との声も多数寄せられています。
この月間の意義として下記が挙げられています。

  • だれ一人取り残さない。共同組織のきずなを強くする。ひとり一人の会員・組合員に寄り添う。
  • 感染蔓延下での活動自粛に備え、事前に気になる会員・組合員をあげて、訪問や声掛け方法、つながり方を考えておく。
  • コロナ禍の下で、認知症、独居の増加、孤独死、孤立問題などますます深刻となって います。人間関係が希薄となり孤立しがちな社会状況において、人と人をつなぎ、 お互いさまの精神で助け合う関係づくり、健康づくりを考える。

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北区無料歯科健診

9月とはいえ、まだまだ暑い日が続いております。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今年も北区が無料で実施する「令和2年度歯周病検診・口腔機能維持向上健診」が、令和2年9月1日から令和3年の2月1日までの期間に、「令和2年度歯周病検診・口腔機能維持向上健診会場」のポスターを掲示している北区内の歯科医院で受けられます。
受診の際はマスクを持参のうえ検(健)診時以外着用してください。また、風邪症状がある場合や、同居の方も含め過去2週間以内に発熱があった場合には、受診を控えていただきますよう、お願いいたします。なお、医療機関の判断で受診ができない場合があります。
虫歯や歯周病に代表される歯科疾患は、その発病、進行により欠損や障害が蓄積し、その結果として歯を失うことにつながるため食生活や社会生活等に支障をきたし、ひいては全身の健康に影響を与えます。また、歯および口の健康を保つことは、単に食物を咀嚼するという点だけでなく、食事や会話を楽しむなど、豊かな人生を送るための基礎となるものです。
歯科疾患は自覚症状を伴わずに発生することが多く、疾患がある程度進行した時点で症状が生じます。そのため、定期的に歯科健診を受診して、早めに歯科治療を受ける習慣を維持することが歯を失うことを抑制することが明らかにされています。歯や歯肉の健康を守ることは、身体や心の健康にもつながります。
また、75歳以上の方々は口腔機能維持向上健診を実施します。歯周病検診に加えて、口腔機能検査(咀嚼機能、飲み込み機能、口腔乾燥状態)を行うことで口腔機能の低下を防ぎます。歯周病と口腔機能の低下を予防して、一生自分の歯で健康に過ごせるように是非この機会に受診してください。 対象の方には個別に、北区健康福祉部健康推進課健康係から8月下旬にお知らせが送付されていることと思います。
北区が行う無料歯科健診は、対象者の内受診する型の割合がまだ少ない状況です。せっかくの制度を活用し、さらに充実した制度への改善を求めましょう。
特に、口臭が気になる方、歯肉から血が出る方、歯石が付いているか心配な方、食べにくくなったり飲み込みにくくなったりしていると感じておられる方は、健診を受けることをお勧めします。
「令和2年度歯周病検診・口腔機能維持向上健診」については、当院でも受けられます。
ご希望の方は、事前に予約の上でご来院下さい。なお、生協王子歯科では、感染予防のため、受診時にイソジンでうがいをしていただきますので、薬などでアレルギーを起こしたことのある方や、甲状腺機能障害の診断を受けている方は、事前にお申し出ください。

勤務先等において受診機会のある方及び入院加療中の方は受けられませんので、ご注意下さい。

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2020年7月集中豪雨被害

先月7月3日以降に熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨災害で、大きな被害が出ました。7月20日時点で死者77名、心肺停止1名、行方不明者7名の方々が犠牲となり住家被害は全壊587棟、半壊145棟、一部破損349棟、床上浸水7880棟、床下浸水7103棟に及んでいます。
犠牲となられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された多くのみなさんにお見舞い申し上げます。
今回の豪雨災害では、熊本県の球磨川流域での被害が大きく、球磨村にある特別養護老人ホーム「千寿園」では水没した施設で入所者14名の方々が亡くなられました。高齢者施設の水害対策は急がれるべき重要課題です。 このような集中豪雨発生の源が大量の水蒸気が流れこんで発生する積乱雲が帯状にならんだ「線状降水帯」といわれる現象です。
今回、九州に発生した「線状降水帯」は世界最大の川であるアマゾン川の2〜3倍の川が上空に出現し水を落としたことと同じことになるそうでその凄さが理解できます。 このような「線状降水帯」を源とする集中豪雨は今後、日本のどこで発生してもおかしくないそうで専門家は私たちの大切な命を守るため以下の3点をよびかけています。

  1. 気象庁や自治体が発出する情報の確実な収集
  2. 降雨時の周囲の異変の早めの察知
  3. 隣近所での呼びかけ合っての協力、早めの避難
  4. たとえ、無駄足になったとしても早めの避難こそが大事です。

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疫病(コロナ禍)退散までともにがんばりましょう!

7月になり本格的な夏の暑さが到来していますが、新型コロナウイルス感染症はその対策としての自粛、休業要請、都道府県をまたぐ移動が緩和され日常生活が少しずつ元に戻りつつありますが、インフルエンザとは異なり、新型コロナウイルスは夏になっても感染の発生は続いています。3密を避け、マスクの着用などの感染対策は変わらず続ける必要があります。ただ、マスクを着用していると熱中症のリスクが高まると言われており、熱中症も重症化すると死亡することがありますので、熱中症を避けながら新型コロナウイルス感染対策にも取り組むという難しい季節になってきました。

出典:厚労省ウェブサイトより

上記のイラストは、厚労省が、不要不急の外出や「密集・密閉・密接」の3密を避けるよう啓発するために、新たに「啓発アイコン」としてアマビエをモチーフにして作成したものです。このイラストは厚労省ウェブサイトの「新型コロナウイルス感染症について」ページの「若者の皆様へ」の項目に「知らないうちに、拡めちゃうから」「STOP!感染拡大」のメッセージと共に掲載されています。 アマビエとは、江戸時代末期に肥後国(熊本県)に出現したとされる妖怪で、「もし疫病が流行るようなことがあれば、私を描いた絵を人々に見せよ」と言い残したと伝えられています。新型コロナウイルスの流行により、「疫病よけ」を祈ってアマビエのイラストをSNSに投稿することがブームとなっています。 新型コロナウイルス感染症拡大で生じている心の不安が、このアマビエによって少しでも和らげられたら良いのではないかと思われます。そして、我が家にも実はアマビエが来て、家族を守ってくれています。

←我が家のアマビエです

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今年度も歯と口の健康週間があります

2020年は新型コロナウイルスという未知のウイルスによる感染症に全世界が脅威に晒されており、専門家も完全にはわかっていない未知に対する不安は大きく、我々の歯科医療の現場でもリスクを避けるための様々な取り組みが求められ、診療を継続するための対応を適宜取り入れております。5月になってから日本においては新しい感染者が減少し少しほっとしておりますが、新しい感染症との闘いは長丁場になることが多いので気を緩めることなく、今後も正しく恐れて取り組んでいきたいと思います。
当院では、緊急事態宣言解除後も外来の患者様にはマスクの着用、手洗い、検温を引き続きお願いする所存です。歯科医師が判断し微熱でも身体症状を確認し予約を取り直す場合もございます。患者様に安全・安心の医療を提供するためのものです。何卒、ご理解ご協力の程、よろしくお願い致します。
歴史を見れば、14世紀にペストが大流行し当時のヨーロッパの人口の3分の1から4分の1が死亡したと言われています。近代では、1918年にスペイン風邪という強毒性のインフルエンザが全世界で大流行し5億人が感染し、1700万人から5000万人が死亡したと言われています。上記は有名な例ですが、人間社会はこれまで何度も感染症の大流行に見舞われています。その度に人類は感染症を克服し、社会を発展させてきました。必ずやってくる新型コロナウイルス感染症終息の日を目指して皆様とともにがんばっていきます。

さて今年も、6月4日(木)〜6月10日(水)まで「歯と口の健康週間」が実施されます。
今年度の標語は「咲かそうよ 笑顔の花を 歯みがきで」です。
今年度の重点目標は、「生きる力を支える歯科口腔保健の推進〜生涯を通じた8020運動の新たな展開〜」です。
新型コロナウイルス感染症の確定診断としてPCR検査が必要ですが、これまでPCR検査は鼻の奥などの粘液を採取する方法で行われ医療従事者の技術が必要で、検体を採取する際にくしゃみが出て医療従事者に感染のリスクがありました。
新型コロナウイルスは唾液の中に多く存在すると言われ、そのため、味覚障害という症状が起きるようです。今後唾液を用いたPCR検査が可能となるようですが、この方法はより簡単でリスクも少ないものです。
このことは、口腔内を清潔にすることにより新型コロナウイルス感染のリスクを減らせることも意味しており、改めて、歯と口の健康が全身の健康に結びつくことを示すものです。うがい、歯磨き、手洗いをしっかり行っていきましょう。

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新型コロナウイルス感染症との長い闘いをともにがんばりましょう!

今年も早いもので、もう5月になります。新緑の1年でもっとも快適な月のはずですが、新型コロナウイルス感染症の脅威は増すばかりで政府による緊急事態宣言が発令されました。私たちの不安は増すばかりですが、神奈川県医師会が県民向けに発出した文書にとても心を打たれましたので、その一部についてご紹介いたします。


〜 神 奈 川 県 民 の 皆 様 へ 〜(神奈川県医師会からのお願い)

◆侮らないで◆
連日の報道で、親も子供もストレスで大変ですとマスコミが取り上げています。だから、ストレス発散のために、外出したいという気持ちもわかります。 爆発的な感染拡大に若い人たちに危機感はないのは当然かもしれません。若い人は感染しても比較的軽症ですむとの報道があるからです。しかし現実は違います。若い人でも、重症化して一定数以上は死亡するのです。現実を見つめてください。 もし、自分の知り合いの人がコロナ感染症で亡くなられたらきっと哀しいはずです。そして、亡くなった人にうつしたあなたが、入院せずに軽度ですんでも本当に喜べるでしょうか。不用意に動き回るということは、その可能性を増やしてしまうことなのです。今は我慢する時なのだということを、ぜひ理解してください。出来るだけ冷静に、そして自分を大切に、そして周囲の人を大切に考えてください。

◆ごまかされないで◆
この新しい未知のウイルスに、本当の専門家がいません。本当は誰もわからないのです。過去の類似のウイルスの経験のみですべてを語ろうとする危うさがあります。そして専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。視聴者の不安に寄り添うコメンテーターは、聞いていても視聴者の心情に心地よく響くものです。不安や苛立ちかが多い時こそ、慎重に考えてください。 実際の診療現場の実情に即した意見かどうかがとても重要です。正しい考えが、市民や県民に反映されないと不安だけが広まってしまいます。危機感だけあおり、感情的に的外れのお話を展開しているその時に、国籍を持たず、国境を持たないウイルスは密かに感染を拡大しているのです。第一線で活躍している医師は、現場対応に追われてテレビに出ている時間はありません。出演している医療関係者も長時間メディアに出てくる時間があれば、出来るだけ早く第一線の医療現場に戻ってきて、今現場で戦っている医療従事者と一緒に奮闘すべきだろうと思います。

◆一緒に戦いましょう◆
もう少し、もう少し我慢して下さい。四週間、何か月いや一年以上になるかもしれません。病と闘って生きていたいと、つらい治療と闘っている患者さんもいます。生きていることだけでも幸せなのだと、ぜひ、ぜひ思ってください。安易に外出して、密集、密閉、密接のところには絶対行かないでください。あなたの行動が、新しい患者さんを作ってしまうかもしれません。 お願いします。私たち医療従事者も、ストレスや恐怖に我慢して戦っています。お願いします。皆さんはぜひ、我慢と闘って、我慢してください。戦いは、長くてつらいかもしれませんが、みんなで手を取り合っていきましょう。



先月ご紹介した標準予防策に加えて、生協王子歯科では、新型コロナウイルス感染症対策として、以下の事を実施しております。

  • 歯科は元々日常からピューラックスによる清掃を実施し、休憩室・待合室・ユニット・ドアノブ・トイレ等消毒。加えて、昼はアルコールで待合室消毒
  • 受付前の手洗いとマスク着用の掲示。診察前の熱の申告。測定していない場合は計測。マスクをされていない場合は声かけ。
  • 診察前に体温をカルテに記録、0.2%ポピドンヨードにて含嗽(4/13から開始)。
  • 待合室の本撤去。
  • 待合室の販売品の撤去。希望の商品を声掛けしていただくよう変更。
  • 受付前はオープンにしていたが、一部ビニールシートを貼った。

日々状況が変わりますので、状況に応じて対策を更新していく予定です。

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新型コロナウイルス感染症に負けずに頑張りましょう!

2019年12月に中華人民共和国・湖北省武漢市から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2020年3月22日時点で既に世界160か国・地域以上に拡大し、感染者総数は30万人を超え亡くなった方は1万3000人近くとなりました。
日本でも1月16日に最初の患者が報告されて以降、3月22日時点で市中感染患者が総計1084人となり、既に回復し退院した人は846人となっています。
新型コロナウイルス感染症を私たちは甘く見てはいけませんが、過剰に恐れてパニックになってもいけません。
日本プライマリ・ケア連合学会の作成した初期診療の手引きより、新型コロナウイルス感染症の特徴をご紹介いたします。

◇新型コロナウイルス感染症は症状が長く続く
新型コロナウイルス感染症の経過には、
1.感染から約5日間(1〜14日間)の潜伏期を経て、
2.風邪の症状(発熱,咳,喀痰,咽頭痛,鼻汁等)、倦怠感等が出現し、
3.一部の患者では嘔吐、下痢などの消化器症状を呈することもあり、
4.それら症状が比較的長く、約7日間持続する
という特徴があります。

特に倦怠感については、
●発熱(体温が)それほど高くないのに、倦怠感が強いことがある。
という特徴もあります。

また、普通の風邪やインフルエンザ、急性胃腸炎(ノロウイルス感染症など)では発症から3〜4日目までをピークに改善傾向に転じるのが一般的ですが、新型コロナウイルス感染症ではそれらよりも症状が長く経過するという点で異なります。

さらに、症状が7日間前後続いた後に、次のような経過をたどります。
1.約8割の患者は、自然に軽快して治癒します。
2.約2割の患者は、肺炎を合併します。特に、高齢者や基礎疾患がある場合は肺炎を合併しやすいです。
3.肺炎に進展した患者のさらに一部が、重症化して集中治療や人口呼吸を要します。

普通の風邪,インフルエンザ,急性胃腸炎のいずれも、肺炎等の入院を要する状態に至ることは比較的稀です。入院を要するような肺炎を約2割という高い確率で合併するのが、新型コロナウイルス感染症の特徴です。
ただし、新型コロナウイルス感染症であっても発症7日以内の早いタイミングで肺炎に至ることもあるため、慎重に経過を追うことが必要です。特に、高齢者や基礎疾患を有する患者又は妊娠中の女性では、発症直後に肺炎に至ることもあるため要注意です。
また、新型コロナウイルス感染症に合併した肺炎では、
●強い湿性咳嗽(「ゴホンゴホン」という痰が絡む咳)
●息苦しさ、呼吸困難
●軽微な乾性咳嗽(「コンコン」という痰が絡まない咳)
●ほとんど呼吸器症状を呈さない
などの多彩な症状を示します。
症状のみから「咳や喀痰が大したことないから肺炎にはなっていないだろう」とは言えないのがこの疾患の特徴です。

生協王子歯科では、新型コロナウイルス感染症とは関係なく従来標準予防策に基づく感染予防対策に努めております。
標準予防策とは、感染性の高いウィルスなどの微生物に感染した患者さんが増加している現状や人権の問題でこうした感染症に対する有効な検査が行えない等の状況を踏まえ、すべての患者を感染症と同等にみなして診療に当たる考え方です。
<1>1処置ごとに手袋交換ないしは、手洗いを実施しています。
<2>使い捨てにできるものは、出来るだけ使い捨てにしています。
<3>診療に使う機器や道具は、患者さん毎に交換して、消毒・滅菌している。オートクレーブやガス滅菌機を用いています。
<4>シャープのジェットウォッシャーを用いて、温水ジェット、洗浄剤、超音波により感染の原因である血液や唾液を確実に洗浄・消毒しています。

安心して、生協王子歯科を受診してください。

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新型コロナウイルス感染症に係るお願い

生協王子歯科へ来院される皆様へ

新型コロナウイルス感染症に関する現状を鑑み、以下のようにお願い申し上げます。 以下の方は受付にてお申し出ください。
・風邪の症状や37.5度以上の発熱がある方
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
上記の方は事前に下記相談センターに電話で相談し、指示を受けていただくことが望ましいと思われます。

〇東京都北区保健所 電話:03-3919-3102
(平日:9時から17時(概ね))
〇東京都 合同電話相談センター 電話:03-5320-4592
(平日:17時から翌9時まで)
(土日祝日:終日)

新型コロナウイルス感染対策のために、受付を含むスタッフにマスクの着用を義務付けております。ご理解賜りますようお願いいたします。

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話せることと誤嚥について

早いものでもう2月です。2月は一年のうちで最も寒い季節となります。暦の上では2月4日が立春で2月は春ですが、実際には寒い日が続く月です。今年の冬は暖冬といわれ寒い日が少ないようですが、インフルエンザは大流行しており、中国で新型コロナウイルスによる肺炎が発生したとも伝えられております。花粉症の方にとってはいよいよシーズンに突入、どうぞお身体を大切になさってください。
先日、上野動物園に久しぶりに行ってまいりました。もうすぐ中国に返還されてしまうというパンダのシャンシャンを見るためでした。シャンシャンが食べる姿はとても愛嬌がありました。ただこの日上野動物園で最も感激したのは、じっとしていて動かない鳥として知られているハシビロコウが、魚を捕らえて飲み込むのを見たことでした。ハシビロコウが魚を捕らえる姿は、以前にNHKの番組で見たことがありました。その番組でも、ハシビロコウが魚を捕らえる姿は滅多に目撃できることがなく、通常は、魚に気づかれることが無いように気配を消し、動かないようにしていると言っておりました。さらに驚いたのは、捕らえた魚を一口で、誤嚥もせず飲み込んでしまったことです。ただ、考えてみれば、空気の通り道である気道と食べ物の通り道である食道が交差しているのは人間だけで、誤嚥のリスクがあるのも人間だけです。例えば、象は長い鼻で水を吸うことはできますが、水を飲むことはできません。それは象の鼻は直接、気管とつながり、食道とはつながっていないためです。鼻で吸って、口へ噴射して飲み込むことで水分摂取を行うのです。
人間以外の動物の鳴き声というのは実際には鼻を鳴らしていることですが、人間だけが口と気道がつながっていて、口と気道の境目にある声帯を用いて声を出し、しゃべることができるようになりました。しゃべることができコミュニケーションが極めて高度になり文明を発達させましたが、誤嚥という命を脅かすかもしれないリスクを得ました。人間の進化が良かったのか悪かったのかわからないところがありますね。
年齢を重ねるにつれ誤嚥のリスクが高まりますので、くれぐれもお気を付けください。

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明けましておめでとうございます。

 昨年も生協王子歯科は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持、御支援を頂き、ありがとうございました。
今年もよろしくお願いいたします。
私が子供のころ観ていたテレビの特撮シリーズ「ウルトラQ」に、「2020年の挑戦」という作品がありました。この頃2020年というとものすごく遠い未来のように感じたものですが、その年がまさにやって来たということに感慨深いものがあります。
今年は、超高齢社会に対応する地域包括ケアシステムの構築が一段と推進され生協王子歯科としても、医科歯科介護連携の新たな段階に応える年になりそうです。地域の実情を把握し、生協王子歯科としてできることを一歩ずつ進めていきたいと思います。
この1年間で、日本は48万人もの人口減少があり、その一方で100歳以上の方が7万人を超えるなど、確実に少子高齢化・人口減少が進行し人口構造が大きく変化してきています。その事への対応として政府は「全世代型社会保障」という政策を打ち出していますが、この政策の内容は、社会保障を充実させるというよりも高齢者にかかる社会保障の費用を減らしていくといくことであり、さらに社会保障に要する負担を年齢に関係なく広く負担させるという事で昨年10月1日の消費税10%への増税はまさにそのことを象徴しています。
そして「全世代型社会保障」では国民の負担増となる政策がさまざまに提示されていますが、むしろ国民の負担を少なくし医療機関にかかりやすくした方が予防と早期治療で病気の重篤化を防ぎ、医療費の総額を抑えられるのではないでしょうか。
健康な高齢者が増えれば結果的に介護保険の利用者も減るでしょう。
人権を守り財政的にも持続可能性のある社会保障制度をみんなで考えていきましょう。
さて、ものを咬むことは、毎日の食事で行っている自然なことですが、咬むということが体の健康を守るうえでどんなに大切か、考えていきましょう。
咬むということは、まず食べ物を細かく咬み砕き、唾液の分泌を促し、飲み込みやすくする筋肉の運動です。良く咬み砕かれた食べ物は胃腸の負担を軽くし、消化・吸収されやすくなります。また、よく咬んでいれば、消化に悪い硬いものや、体に良くない異物等を飲み込んだりしなくなり、唾液の分泌が促進され、歯や歯肉が唾液や食べ物で洗われて、歯垢や歯石が付きにくくなるのです。
この咬むことを守るために患者の皆様に、「あの時、治しておいて良かった」と思ってもらえる永続性のある良質な治療を提供し、さらに、「患者の皆様に不必要な経済的負担をかけないこと」を肝に銘じ、2020年の決意としたいと思います。

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年末年始に歯が痛くなったら

 2019年も、残すところわずか1ヶ月になりました。今年も、組合員、地域の皆様に生協王子歯科をご支援、ご支持いただき、ありがとうございました。生協王子歯科職員一同、厚く御礼申し上げます。
今年は台風や豪雨による自然災害が相次ぎ大きな被害が発生したことは残念でした。生協王子歯科のある東京都北区でも10月の台風19号の際は、区内の荒川や墨田川が決壊・氾濫の寸前だったようです。災害がいかに身近なものであるかを実感しあらためて情報収集と日常の備えをしっかりやりたいと思います。
生協王子歯科としては引き続き地に足のついた地域の皆様の健康を守る活動を進めていきます。
年末はスケジュールに追い回され、身体も口の中も、最悪のコンディションに置かれます。それが、お正月になって緊張感やストレスなどから解放され、今まで何ともなかった歯や歯肉がじわじわと浮いてきてしだいに咬めなくなり、ついには痛んだり腫れたりして、せっかくの楽しいお正月が台なしになってしまうことがよくあります。もし、年末年始に歯が痛くなったら、北歯科医師会の休日歯科診療所(電話番号:3900-5009)にご連絡ください。受付時間は午前9時から午後5時までです。
休日歯科診療所では、入れ歯が壊れたり、転んで歯が折れたり、急激に歯が痛くなったり腫れたりした時などに治療してもらえます。その場合、当面の応急処置にとどめることが多いので注意が必要です。たとえ応急処置で痛みが消えても、休みが明けてからきちんと歯科医院に通院して治療してもらいましょう。
最後になりますが2020年が皆様にとってよい年でありますように。

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2019年台風被害

 9月9日に上陸した台風15号により千葉県を中心に大きな被害が発生し、さらに10月13日に東日本を縦断した台風19号により、1都12県に河川の決壊や広域の浸水による大規模な洪水被害が発生しました。犠牲となられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された多くのみなさんにお見舞い申し上げます。
今回の台風15号では、千葉県内のすべての市町村で34,000棟超える住宅被害があり、1カ月を経過してもその被害の全貌は判明しておらず、被害総数はさらに増加する見通しです。
台風19号の被害は東海・関東甲信越・東北地方と広大な範囲に及び、10月14日時点で死者35人、行方不明17人となっていますが、犠牲者の総数は昨年7月の西日本豪雨災害を上回る可能性があります。
台風19号は東京を直撃したので、我々はその恐ろしさについて身をもって体験しました。
地球温暖化の影響もあり、巨大台風は今後も繰り返し発生するといわれています。
我々自身が自分の身を守るとともに、災害対策のさらなる充実が求められます。

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生協強化月間です!

 めっきり秋めいてまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
10月は、神無月とも言い、島根県の出雲大社に全国の神が集まって1年のことを話し合うため、出雲以外の地域ではその地域を守る神がいなくなるので、充分な注意が必要であると言われています。
年末まで3カ月となり、改めて心を引き締めるようにということでしょうか。
10月から生協王子歯科の所属する東京ほくと医療生活協同組合では、生協強化月間が始まります。生協強化月間とは、我々の医療生協に、さらに多くの方に加入していただき、医療生協の担い手を増やし、生協のネットワークを大きく広げることに集中して取り組む期間として位置づけられています。消費税が10月1日より10パーセントに増税され、貧困・格差はさらに加速し、医療・介護を受ける権利が益々奪われつつあります。増大している一人暮らしの高齢者がひとりぼっちになることを食い止め、地域を再生し、社会の連帯を強化することが、今、切実に求められています。
住民の願いは病気や障害があっても、住み慣れた地域で暮らすことです。その実現を阻害する地域の課題は、まちづくりの当事者である地域住民の参加なしに解決することはできません。また、住民同士の助け合いや支え合いが、公的制度後退の肩代わりではなく、住民自治の具体化の一つとして進められるためには、「地域の福祉力」を高めることが重要です。それは、住民自身が、公的制度をはじめとした社会資源を地域で生かし、問題があればその改善と充実を専門家や行政に求め、同時に見守りや助け合い、居場所を拠点とした活動による協同を広げ、自己責任による差別と分断を克服して、一人ひとりの尊厳と、人権が大切にされる地域に変えていく過程と言えます。
この月間は、いのちとくらしに関する問題を生協だけでは解決できなくても、行政機関を含む多くの団体・個人とともに解決に向けて学び合うなど、協同の取り組みを拡げます。この取り組みを進め地域社会の再生を実現するために、医療生協のネットワークを大きく拡げることが生協強化月間の目的です。
生協王子歯科は、医療生協の歯科として、皆様とともにこの月間の一翼を担います。
なにとぞ、ご協力をよろしくお願いいたします。

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オーラルフレイルについて

 今年は長い梅雨の後いきなり猛暑となり、体調管理の難しい日が続きました。
9月になっても暑い日があります。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」
と古今和歌集にあるように、過ごしやすい季節はもう間近です。皆さん、お身体を大切になさってください。
厚生労働省と日本歯科医師会が1989年から展開している「8020運動」は、80歳で20本以上の歯を保ち、何でも食べられることを推進してきました。当初、数%であった達成者が、現在では50%を超えるほどになっています。日本歯科医師会は、この運動をさらに発展させた「オーラルフレイル」という考え方で健康長寿をサポートしています。
8020運動は、目標の設定が間違っていたのではないかという議論が最近あります。
お口の中の細菌の数は残っている歯の数と比例するといわれており、お口の中の細菌の数が多くなると誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。8020運動は、誤嚥性肺炎の患者を増やしただけではないかという意見もあります。また、8020を達成している方が増えていますが、咀嚼障害の方は減っていないとも言われています。咀嚼は歯の数だけで決まるものではなく、舌,唇,頬等の軟組織の機能が多いに関与するからです。
「オーラルフレイル」は、お口の機能のわずかな低下や食の偏りなどの高齢に伴う身体の衰え(フレイル)の一つで、滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増える、口の乾燥等些細な症状であり、見逃しやすく、気が付きにくい特徴があるため注意が必要です。高齢期における人との繋がりや生活の広がり、共食といった「社会性」を維持することは、様々な健康分野に関与し、歯やお口の機能の健康も含まれています。
歯周病やむし歯などで歯を失った際には適切な処置を受け、定期的に歯や口の健康状態をかかりつけの歯科医師に診てもらうことが重要で、地域で開催される介護予防事業などのお口の機能向上のための教室やセミナーなどを活用することも効果的です。


東京大学高齢者総合研究機構 飯島勝矢教授資料より

定説としてはこのように身体全体のフレイルの前にお口のフレイルが生じるといわれていますが、実際には、足腰が弱り、目が老眼になるなどの身体全体のフレイルが先に生じるとの見解もあります。なぜなら、お口のフレイルは命に直結するフレイルであるが故に、身体の防御システムが働きなかなか生じにくいといわれています。お口のフレイルが始まると死亡リスクが大きく高まるので、充分な対処が必要となります。お口のフレイルの指標で大切なのは、舌の機能で、舌の機能を表す舌圧が今後注目されていくと思われます。

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暑さを乗り切る食事

 早いもので8月8日はもう立秋です。今年は梅雨明けが遅く、暑さは本格化したばかりですが秋の風が吹くのを待ち遠しく感じるこの頃です。いかがお過ごしでしょうか。
さて、夏になると、たいていの人は疲れやすくなり、食欲も落ちてきます。汗をかきやすいため、ミネラルやビタミンなどが不足がちになります。
冷たくて口あたりのよいジュース・アイスクリームなどについつい手が伸びてしまいますが、食べすぎると胃腸を疲れさせ、食欲を減らし「夏ばて」の原因になります。暑さに負けないためには、栄養のバランスを考えて脂肪やたんぱく質、ミネラル、ビタミンなどの補給に気を付けて、偏食しないことが大切です。みょうがやしょうがなどの薬味をプラスし食欲を刺激したり、水分の多いトマトやなすなどの旬の夏野菜は栄養もぎっしり詰まっています。
昔の人が考えた夏を乗り切るための生活の知恵といえるウナギや焼き肉などのスタミナを付けるのによいと思われる食品も、続けてとり過ぎるのは決してよくありません。ごはん、パン等の主食と蛋白質・脂肪のバランスを考え、腹八分目が一番よく、食べ過ぎはよくありません。
また食べ物と同時に、睡眠不足、クーラーのきかせ過ぎなども体調を崩す原因になります。そのほか、自分の年齢、体力に合った適度な運動を生活の中に取り入れることも、消化、吸収を助け、体調をよくします。
食べ過ぎ、食欲不振、過労や睡眠不足で体がだるいときなどに、ビタミン剤や栄養剤を普通の量の2倍も3倍も飲んでいる人をみかけますが、説明書に書いてある量以上に飲んでも何の効果もありません。
バランスのとれた食事、充分な睡眠と休養、適度な運動によって夏を元気に乗り切ってください。

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歯科衛生士さんを募集しています!!

 今年も早いもので1年の半分が過ぎ去り暑い夏がやってきます。熱中症の発生が、5月からすでに伝えられています。熱中症は年齢にかかわらずどなたでも罹患するリスクがあり、場合によっては命に係わることもあります。対策は広く伝えられておりますので、皆様、充分にお気を付けください。
生協王子歯科は、医療生協の歯科として地域の皆様のお口の健康を守るために活動しております。このお口の健康を守るために欠かせないのが、歯科衛生士の皆さんです。成人の8割が罹患している慢性疾患である歯周病の治療と病状の安定のための管理は、歯科衛生士さん無くしては不可能です。
さらに、むし歯は大きく減少したと言われてきましたが、8020運動が成功したことによりたくさんの歯を有する高齢者の方が増加し、そのような高齢者の方々が脳梗塞の後遺症などで十分に磨きができなくなり、せっかく保持しているたくさんの歯のほとんどにむし歯ができるという事態が発生しつつあり、かつての子供のむし歯洪水と言われた時代と異なる、高齢者のむし歯洪水の時代が到来しつつあります。この高齢者のせっかく保持している歯をむし歯にしないためにも、歯磨き指導や口腔ケアを担当する歯科衛生士さんの役割は、大きなものがあります。また、通院困難になった高齢者の方のお口の機能の管理や、2025年には700万人を超えると予想される認知症患者の方のお口の健康管理、そして、国民の半分が罹患するといわれるガンの治療のための抗がん剤による副作用としての口腔粘膜炎を軽減するための口腔ケアなど歯科衛生士さんの果たす役割はますます増えるとともに重要になっております。
生協王子歯科は地域の皆様の健康を守る活動をさらに充実させるために、歯科衛生士さんを募集しております。
生協王子歯科は労働基準法を守り、医療生協として職員の健康を守ることも大切にしております。
どうぞ、一度、ご見学にいらしてください。

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歯と口の健康週間について

 梅雨入りのニュースが気になるこのごろですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
「10連休」の後の体調管理の難しい時期に集中豪雨や5月とは思えない真夏のような日々が到来しました。組合員及び地域の皆様、なにとぞご自愛ください。
今年も6月4日から6月10日まで歯と口の健康週間です。これは厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会が1958年(昭和33年)から実施している週間です。
目的は歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療を徹底することにより歯の寿命を延ばし、国民の健康の保持増進に寄与することです。
2019年度(令和元年度)は「いつまでも 続くけんこう 歯の力」というスローガンを掲げて全国各地で、歯科医師や保健所、学校関係など多くの方々の協力を得て、地域住民参加型で歯と口健康を守ることを普及するための行事が行われます。

本年度の重点目標は
生きる力を支える歯科口腔保健の推進
生涯を通じた8020運動の新たな展開

上記の2点です。歯と口の健康が生きる事の基盤であり健康で文化的な生活を支えるものである事をあらためて訴えるものです。歯と口の健康週間を機に、日常生活の中で歯と口の健康の重要性を改めて考えてみてはいかがでしょうか。
そして特に痛みなどなくても歯科を受診されてみるのもよいかと思います。
生協王子歯科もお待ちしておりますのでお気軽にお電話ください。

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私達の基本となるもの

 早いもので、今年の5月から天皇が代替わりし、新しい元号の令和となりました。
元号そのものはあまり実用性のない記号に過ぎず、これを機会に日本国憲法の下での象徴天皇制や元号のありかたについて、国民的な議論がなされてもよかったのですが、そのような議論はほとんどなされず新元号がまるでハローウィンのようなお祭り騒ぎの対象になってしまったのは残念なことです。ただ新元号令和を機会に、万葉集に関心が集まったのは良いことだと思います。
万葉集には約4500の歌がありますが、その中でも、山上憶良は貧しい農民や幼い子供に目を向けたいわゆる社会的なテーマを多く歌に詠みました。
万葉集に収められている「貧窮問答歌」はその最たるもので、貧者の壮絶な生活がリアルに歌われています。民主主義も基本的人権もそのような概念さえ無い時代に、山上憶良は、国民が日々の生活もままならないという社会矛盾に歌を通して向き合ったのです。

「世の中を 憂しと恥(やさ)しと 思へども 飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば」

という歌は、いくら苦しくても生き抜いていかなければならないという弱者に向けた山上憶良のメッセージです。
生協王子歯科が加盟する全日本民主医療機関連合会は、戦前において貧しさと医療制度の不備のためまともな医療を受けることが極めて困難であった当時の労働者や農民などのために「医療を民衆の手に」というスローガンのもとに医師をはじめとする医療従事者が担い手となって設立した無産者診療所の伝統を引き継ぎ、「無差別・平等」の医療・介護・福祉の実現を目指す組織です。
私達は常にこの基本に立ち返って、すべての活動を進めていきます。

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2019年度もよろしくお願いいたします。

 いつもお世話になっております。
生協王子歯科は、一般の会社と同じく、4月1日より2019年度という新しい事業年度が始まります。いわば、「第2の新年」のようなものです。2018年度は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持・御支援をいただきありがとうございました。2019年度も、生協王子歯科職員一同は、地域の皆様の健康を守るために頑張りますので、よろしくお願いいたします。
地域の第一線で医療を担っている我々が今強く感じているのは、経済格差の拡大や超高齢化の進展とそれに伴う国民の生活困難や将来への不安の増大です。
医療の分野でも、国保の保険料滞納や社保の資格喪失が増大し、高齢者を中心として受診抑制による重症化も目立っています。介護保険制度も改悪が続き、介護利用の抑制や保険料滞納が続出しつつあります。経済の停滞や患者負担増による受診抑制、診療報酬の抑制、審査・指導の強化などの公的医療費削減策のもとで医療機関の経営悪化も深刻です。
経済情勢を反映した受診抑制は歯科においては特に顕著で、経済格差が健康格差に影響するという状況がこの間広がっており、歯と口の健康を守る運動を推進し、国及び自治体に働きかけることの重要性を痛感しています。
日常の歯みがきは当然大切ですが、寝たきりになった方などには歯科医師や歯科衛生士による専門的口腔ケアが歯と口の健康保持には重要で、専門的口腔ケアが誤嚥性肺炎やインフルエンザの予防に効果を上げたという報告が多数あります。口腔ケアで高齢者の肺炎が40%減少しその分医療費が減りますし、残っている歯の数が多い人ほど医療費が少ないという報告があります。これからも、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手、歯科事務が一体となって、お口の健康から全身の健康を守るために努力してまいります。
「風と共に去りぬ」という有名な小説・映画がありますが主人公のスカーレット・オハラが映画の最後に述べる「tomorrow is another day」という言葉があります。
これは小説では何度も出てくる言葉ですが日本語では「明日は明日の風が吹く」と訳されることが多いようです。
人生は毎日が自転車操業のようなもので日々、残念な事やつらい事があります。
ただ今日の事は今日の事として明日に引きずらず、毎日、新たなスタートのつもりで気持ちを新たに進んでいきたいものです。
2019年度のスタートにあたってあらためて決意する次第です。

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糖尿病と歯周病の関係

 春節をちらりと見せし夜空かな 岸田稚魚
今年は、寒さのきびしい冬でしたが、3月となり少しずつ春を感じられることができるようになりました。インフルエンザも大流行しましたが、ようやく流行期がおわりつつあります。ただ、最近は4月でもインフルエンザに罹患することがありますので、まだまだ注意が必要です。
さて、日本人の糖尿病患者はその予備軍含めると、1620万人いると言われており、その内90%の方が遺伝的な要素に加え、食べ過ぎ、運動不足で肥満になり、ストレスがかかるなど生活習慣の影響でインスリンの分泌が不足し血糖値が上がるU型糖尿病で、生活習慣病といわれています。
糖尿病が、歯周病と関係していることを御存じでしょうか。
糖尿病の人は、歯肉から出血しやすく炎症がなかなか治まりません。また、唾液の量が減り、口の中が渇きます。唾液が少ないと細菌が増えるので、虫歯も多く、残っている歯が少ないという特徴があります。
糖尿病の治療の基本は、適切な「食事」と「運動」ですが、歯周病が進んでしまうと、吸収の早い糖質が多く含まれる血糖値を急激に上げる危険がある軟らかな食品に偏りがちになります。歯周病を治療することにより、しっかり咬んで食事をすると、ゆっくりと食事をすることになり、食べ過ぎを防止し、少ない量でも満足感が得られます。さらに、咬みごたえがある食品は、食物繊維の量が多く脂質や糖質の量は少なめで食品中の脂肪や糖質の吸収をゆっくりにします。
近年、糖尿病患者の方に対し、歯周病の治療・管理を行うことにより、血糖コントロールが改善したという報告もあります。
歯周病の治療は糖尿病の治療にもつながります。ただ糖尿病があると免疫力が低下し炎症が悪化しやすく治療にともなう合併症のリスクも高くなります。
糖尿病の方は、歯科医院で受診する際に、必ず「血糖値が高いと言われている」、「糖尿病の治療を受けている」ということをお伝え下さい。

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かしこい歯医者のかかり方

 早いもので2月4日は立春です。暦の上では春ですが、実際に2月は非常に寒い日々が続く事が多い月です。インフルエンザが大流行しており、花粉症の方にとってはいよいよシーズンに突入、どうぞお体を大切になさってください。

さて、歯科にかかるのは、誰しも不安なものです。とくに初めての歯科の場合は、歯が痛い上にいろんなことが気になります。

まず、自分の症状や疑問を歯科医師に伝えましょう。症状については、歯や歯肉の痛みや腫れがどこの部分に、いつごろから、どんなふうに出てきたかなど、時間の経過と症状の変化をあらかじめ頭の中でまとめておくとよいでしょう。また、歯や口だけに限らず全身の状態やこれまでにかかった病気についても、詳しく歯科医師に伝えるようにしておくことも大切です。薬についても、過去に薬のアレルギーなどの経験がある場合は、必ずその旨を申し出てください。歯科においては、初めてかかったときに患者さんに記入していただく「問診票」がありますので、項目ごとに正確に書き込むことが重要です。

次に、@何回くらいの通院が必要か。A他の歯の状態はどうなのか。Bどんな入れ歯や詰めものになるのか。C健康保険の範囲で治療が受けられるのか。Dもし、自費で治療するとすれば、どのくらいの費用が必要かの5点は、歯科医師と確認しておきましょう。歯科医師と患者さんと心の通い合うコミュニケーションをつくり、お互いが協力してよりよい治療を進めて行くことが大切です。わからない点は、遠慮しないで聞いてください。

最後に、応急処置で当初の痛みがおさまると、治療を中断してしまう患者さんがおられます。そのままにしておけば、今後はもっとひどくなって現れてくるのが、歯の病気の特徴です。最後まできちんと治療しましょう。

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新年あけましておめでとうございます。

 明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
昨年も生協王子歯科は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持、御支援を頂き、ありがとうございました。
昨年を象徴する漢字として「災」が選ばれました。確かに昨年は台風や集中豪雨の多い年でした。このような災害が多くなっている大きな要因として「地球温暖化」が言われています。地球温暖化の進行をくいとめるために国際的に温室効果ガスの削減が進められています。ただ、温室効果ガスはその排出を今、削減してもその効果が現れるのに数十年から百年かかるそうです。したがって21世紀中は地球温暖化による災害が続く可能性があります。
国や自治体に防災対策の整備を求めるとともに我々が自分でできる自分の身を守るための災害への備えをしっかり、やりましょう。
また、団塊の世代が後期高齢者となる2025年も6年後に迫り超高齢社会に対応する地域包括ケアシステムの構築が進められています。生協王子歯科としても、地域の実情を把握し、生協王子歯科としてできることを一歩ずつ進めていきたいと思います。
さて、ものを咬むことは、毎日の食事で行っている自然なことですが、咬むということが体の健康を守るうえでどんなに大切か、考えてみましょう。
咬むということは、まず食べ物を細かく咬み砕き、唾液の分泌を促し、飲み込みやすくする筋肉の運動です。良く咬み砕かれた食べ物は胃腸の負担を軽くし、消化・吸収されやすくなります。また、よく咬んでいれば、消化に悪い硬いものや、体に良くない異物等を飲み込んだりしなくなり、唾液の分泌が促進され、歯や歯肉が唾液や食べ物で洗われて、歯垢や歯石が付きにくくなるのです。
咬むことは、生後お乳を吸うことから始まって、徐々に発達します。従って、赤ちゃんや乳児期のころから、きちんとした食習慣を身につけることが大切です。最近は、よく咬まなくてもいいファーストフードなどが増え、咬む、咬み切るということをうまくできない子どもが増え、顎の発達が不充分になり、歯並びや咬み合わせが悪くなるなど、今まで大人の病気だった歯周病や顎関節症などが、若い人たちの間に見られるようになりました。毎日の食事は、しっかりと咬みながら、楽しく時間をかけて食べることが大切です。何でも食べて、何でも咬めることこそ、健康で丈夫な体を作り上げて行くのです。

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今年もお世話になりました

 本格的な冬将軍の到来も間近、いよいよ今年最後の月となりました。
忘年会やクリスマス、大掃除など、何かと忙しい季節です。
今年は梅雨明けが早く、猛暑の夏が続き、寒暖の差が激しく台風の多い秋となり、11月、12月は比較的暖かい日が多い年でしたが、これからは本格的に寒くなると思われます。
寒さに打ち勝ち、お正月に向けて、健康で何でも美味しく食べるためには、お口の健康が第一です。
お口の病気を予防し、お口の健康を維持するために、お口の状態を診査しましょう。
 年末はスケジュールに追い回され、身体も口の中も、最悪のコンディションに置かれます。それが、お正月になって緊張感やストレスなどから解放され、今まで何ともなかった歯や歯茎がじわじわと浮いてきてしだいに噛めなくなり、ついには痛んだり腫れたりして、せっかくの楽しいお正月が台なしになってしまうことが良くあります。もし、年末年始に歯が痛くなったら、北歯科医師会の休日歯科診療所(電話番号:3900-5009)にご連絡下さい。受付時間は午前9時から午後5時までです。
 歯科の休日診療は、入れ歯が壊れたり、転んで歯が折れたり、急激に歯が痛くなった時などに治療してもらえます。その場合、休日のため応急処置に止めることが多いので注意が必要です。たとえ応急処置で痛みが消えても、休みが明けてからきちんと歯科医院に通院して治療してもらいましょう。
 よいお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

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11月11日(日)巣鴨でイイハデー宣伝行動があります

 早いもので、11月7日はもう立冬です。今年の10月は雨続きで寒暖の差が激しく、あまり秋を実感できない年でした。11月になると、朝夕冷え込んでまいります。またインフルエンザの流行期に入りますが今年は9月頃からインフルエンザでの学級閉鎖があるなど、早い流行が伝えられております。皆様、お体には充分お気をつけください。
 11月11日(日)午後1時〜3時頃に、私ども生協王子歯科も加入する「『保険でよい歯を』東京連絡会」が主催する、毎年恒例の「イイハデー」宣伝行動を、巣鴨とげぬき地蔵前バス停付近で行います。
「『保険でよい歯を』東京連絡会」は、医療を受ける側と提供する側が現在の医療制度の矛盾に気付き、保険証1枚で安心して良い歯科医療を受けられるよう、患者も医療提供者も満足できる歯科医療を実現させるために運動を進めており、この運動に賛同する団体や個人が多数参加しています。
「イイハデー」宣伝行動は11月8日を「イイハデー」として、その日に近い日曜日に毎年恒例で行っている街頭宣伝行動で、「患者負担の軽減」を求める署名を集めることを中心に、歯科医師やお口のケアのプロフェッショナルの歯科衛生士や入れ歯作りの専門家の歯科技工士による無料の「お口の健康相談」や歯科医療の危機を訴えるチラシ配り、署名いただいた方への歯ブラシプレゼントなど多彩な活動で注目を集めています。
例年、東京連絡会加盟団体を中心に、患者さん、歯科衛生士、歯科技工士、歯科医師、歯科事務、歯科関係者ら百名近くが参加しています。
 ご協力いただける方は、11月11日(日)午後1時〜3時頃に、巣鴨とげぬき地蔵前バス停付近にお越しください。どなたでもお気軽に参加いただけます。
詳しいことについては、生協王子歯科にお問い合わせください。

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平成30年9月北海道胆振東部地震

 先月発生した北海道胆振東部地震で、大きな被害が出ました。犠牲となられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された多くのみなさんにお見舞い申し上げます。
 9月6日午後3時7分に発生した「北海道胆振東部地震」は、北海道史上初めて震度7を記録し、震源地である胆振管内厚真町を中心に甚大な被害をもたらしました。死者は厚真町で36人にのぼり、道内全体で死者は同町を含め計41人、負傷者は675人と深刻な被害が出ました。住宅被害は札幌市が被害多数のため現在調査中ですが、わかっているだけでも胆振管内厚真町の19棟と含め全壊は32棟、半壊18棟、一部損壊10棟となっています。避難者は9市町村が設置した避難所計49カ所には、厚真町944人、札幌市94人など1989人が避難しています。仮設住宅は厚真、むかわ、安平の3町に建設予定で、札幌市は「みなし仮設制度」制度の適用を決定しました。北電の苫東厚真火力発電所の3基の全面復旧は11月以降にずれ込む見通しです。胆振周辺の余震は続いています。
 北海道には生協王子歯科と同じく全日本民医連に加入している歯科診療所が5カ所ありますが、そこの職員の方に伺ったお話では、震災直後は停電によりテレビはもちろん携帯電話も充電が充分であっても基地局が機能しないと使用不可能になり、ラジオとアナログ電話が最も役に立ったとのことです。また、パソコンや携帯のネットが使えるようになってからも、そこでの情報はデマが多くあまり信用できなかったようです。結局、現代でも、災害時の情報・通信は数十年前と変わらず、アナログ電話とラジオが最も頼りになるようです。
 災害はいつ来るかわかりません。必要な備えを行い、電池式のラジオは必需品で、今は少なくなった公衆電話の位置を確認しておきましょう。

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2018年9月 所長あいさつ

 9月とはいえ、まだまだ暑い日が続いております。
 皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 今年も北区が無料で実施する「平成30年度歯周病検診・口腔機能維持向上健診」が、平成30年9月1日から平成31年の1月31日までの期間に、「平成30年度歯周病検診・口腔機能維持向上健診会場」のポスターを掲示している北区内の歯科医院で受けられます。
 虫歯や歯周病に代表される歯科疾患は、その発病、進行により欠損や障害が蓄積し、その結果として歯を失うことにつながるため食生活や社会生活等に支障をきたし、ひいては全身の健康に影響を与えます。また、歯および口の健康を保つことは、単に食物を咀嚼するという点だけでなく、食事や会話を楽しむなど、豊かな人生を送るための基礎となるものです。
歯科疾患は自覚症状を伴わずに発生することが多く、疾患がある程度進行した時点で症状が生じます。そのため、定期的に歯科健診を受診して、早めに歯科治療を受ける習慣を維持することが歯を失うことを抑制することが明らかにされています。歯や歯肉の健康を守ることは、身体や心の健康にもつながります。
 また、75歳以上の方には平成30年より新たに口腔機能維持向上健診を実施します。歯周病検診に加えて、口腔機能検査(咀嚼機能、飲み込み機能、口腔乾燥状態)を行うことで口腔機能の低下を防ぎます。歯周病と口腔機能の低下を予防して、一生自分の歯で健康に過ごせるように是非この機会に受診してください。
 対象の方には個別に、北区健康福祉部健康推進課健康係から8月下旬にお知らせが送付されていることと思います。
 北区が行う無料歯科健診は、対象者の内受診する型の割合がまだ少ない状況です。せっかくの制度を活用し、さらに充実した制度への改善を求めましょう。
 特に、口臭が気になる方、歯肉から血が出る方、歯石が付いているか心配な方、食べにくくなったり飲み込みにくくなったりしていると感じておられる方は、健診を受けることをお勧めします。
 希望される方は、お知らせを持参の上、直接上記のポスターを掲示している歯科医院で受診して下さい。診療時間中に行われますので、あらかじめお電話していただいて予約をしていただいた方がお待たせしないですむと思います。

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平成30年7月西日本豪雨被害

 先月発生した西日本を中心とする西日本豪雨災害で、大きな被害が出ました。犠牲となられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された多くのみなさんにお見舞い申し上げます。
 今回の豪雨災害では、岡山県倉敷市真備町の被害が大きく、町の約3割が冠水し、全半壊、床上浸水といった家屋被害は、いまだその全容が判明しておらず、約2800人が避難所生活を余儀なくされ、大量の災害ごみが発生するなど生活再建には相当な時間を要する模様です。

 また、生協王子歯科と同じく全日本民主医療機関連合会に加盟し、医療生協の歯科でもある倉敷医療生協の真備歯科診療所にとってもかつてない被害となりました。開設以来37年の信頼と実績を持ち、移転新築7年目を迎えていた真備歯科診療所が、一階部分が完全水没し、診療機能は壊滅状態となりました。加えて、真備地域で開業している六つの歯科診療所もすべて水没し、町内の歯科医療機能が停止している状態です。倉敷医療生協の七つの歯科診療所は、15日より、倉敷市と県歯科医師会の要請を受け、町内の避難所を訪問し、歯科要求の実施把握を行ってきましたが、今後も、避難所・住宅からの歯科要求が見込まれます。
 全日本民主医療機関連合会では中国・四国地方の加盟歯科診療所を中心に真備地域の診療所・在宅での歯科医療活動支援を行っていく予定です。

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咬むことの大切さ

 早いものでもう7月、暑さが本格的になります。皆さん、ご自愛ください。
 「若い人はファーストフードばかりで硬いものを食べなくなった」と以前から言われていますが、80歳で20本以上歯が残っていらっしゃる方が50%を超えた一方で、高齢者の方も硬いものを召し上がらなくなる傾向があるのではないでしょうか。
 さて、みなさんは『ひみこの歯がいーぜ』という標語をご存知ですか?
咬んで食物をとるということは、単に栄養補給というだけではなく全身の活性化に重要な働きをしているということを学校食事研究会が分かりやすく標語にしたものです。もちろん、本当に卑弥呼の歯が丈夫だったかは定かではありませんが、その時代は1回の食事で3990回と、現代人の約6倍多く咬んでいたそうです。

「ひ」…肥満を防ぐ
「み」…味覚の発達
「こ」…言葉の発音がはっきり
「の」…脳の発達
「は」…歯の病気を防ぐ
「が」…ガンを防ぐ
「いー」…胃腸の働きを良くする
「ぜ」…全身の体力向上と全力投球

 このように、咬むことと健康のメカニズムについてはさまざまなことが解明されつつあります。この中で特に今回は、「咬むこと」と「脳」の関係についてお話したいと思います。
 咬むことは脳と大きく関係があり、まず咬むことで顎の筋肉から脳の血の巡りが良くなり、大脳皮質前頭野の働きが活性化されます。前頭野は人間の「集中力」「意欲」「共感力」「切り替え力」を司っており、いわゆる「やる気スイッチ」が働くことになります。そして咬むことによるこの効果は、若者より高齢者の方が大きいと言われています。
 また咬むという行為は、脳の海馬という領域を活性化させますので咬むことにより1.4〜3倍もの効果が得られます。海馬は新しい記憶の保存・管理の他に空間認知力を高める働きがあると言われています。逆に咬めない場合は海馬の約30%の細胞が減少し、アセチルコリンという記憶に関係する神経伝達物質も減少していまい、「物忘れ」が多くなると言われています。つまり咬むということは認知症の予防に大きく効果があるのです。
 また、咬むということはストレスの軽減にも役立ちます。脳の中の扁桃体という「不快」を感じる組織の活動も抑制され、ストレスホルモンも減少すると言います。
また、セロトニンという心を整える神経伝達物質も増えるので、咬むことはうつ病の抑制にも効果があると言われています。
 とにかく歯ごたえのある、ある程度硬いものをしっかり咬むことが脳の活性化には必要だということです
歯がなくてもあきらめる事はありません。前述の通り、よく咬むというのは顎の筋肉を動かす事が大切なのですから、入れ歯などで歯のない部分を補って、積極的に咬むようにしましょう。
 「咬む」ということは健康な人にとっては毎日のごく自然な行動ですが、病気をお持ちの方々にとっては命にかかわる問題です。いま一度、咬むことの大切さと咬んで食事をする喜びについて心に留めていただければと思います。

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歯と口の健康週間について

 梅雨入りのニュースが気になるこのごろですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 5月から夏のような日が多く、今年も猛暑が予測されております。組合員及び地域の皆様、なにとぞご自愛ください。
 今年も6月4日から6月10日まで歯と口の健康週間です。これは厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会が1958年(昭和33年)から実施している週間です。目的は歯と口の健康に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療を徹底することにより歯の寿命を延ばし、国民の健康の保持増進に寄与することです。
2018年度(平成30年度)は「のばそうよ 健康寿命はみがきで」というスローガンを掲げて全国各地で、歯科医師や保健所、学校関係など多くの方々の協力を得て、地域住民参加型で歯と口健康を守ることを普及するための行事が行われます。
 今日では都市部を中心に歯科医師の数も増加し、昨今の健康ブームにのってマスコミなどによる歯と口の健康に関する情報も豊富になりました。こうしたことも、現在各地で行われている歯と口の無料健診や相談に反映し、かつての「虫歯が何本あるから治しなさい」といった治療勧告型の対応から、さまざまな患者さんの個々の相談に充分耳を傾けるコンサルティング型への対応へと変わってきました。
 歯と口の健康週間を機に、日常生活の中で歯と口の健康の重要性を改めて考えてみてはいかがでしょうか。

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5月の所長あいさつ

5月になり、もう真夏のような日もあり、ちょっと前まで寒かったのがウソのようです。5月は意外に熱中症になる方も多いそうです。
みなさん、充分にお気をつけください。
 生協王子歯科が加盟する全日本民医連歯科部では経済的格差が口腔の健康格差を広げている事例を集め実態を明らかにし、「口腔崩壊」という言葉で告発してきました。同時に、口腔崩壊の原因が自己責任だけではない、歯科における「手遅れ事例」であることも訴えてきました
 カナダの医師マイケル・マーモットは「せっかく病気を治した人々を、なぜその病気にした状況に送り返してしまうのか?」と述べ、自己責任では解決できないことを明らかにしています。
エキタスという貧困問題を訴える団体のアンケートには、「時給が1500円になったら、歯医者に行きたい」などの意見が並びます。見えない「格差」と「貧困」を含む「社会的困難」が広く進行していることが推察されます。また、歯科の受診率は医科以上に所得格差の影響を大きく受けるため、窓口負担が重くのしかかります。
 生活が厳しくなると体の病気を優先し、「歯が痛くても、歯肉が腫れ上がっても、歯が抜けてバランスの良い食事をとることが出来なくても我慢する」のです。さらに、歯科は保険で全ての治療が行えるわけではありません。自費診療の存在を理由に保険給付拡大を拒む厚労省。経営の厳しさのため自費診療を放棄することが出来ない歯科界の事情が「保険でよい歯科医療」の運動を難しくしています。

 近年、80歳で20本以上の歯を持つ方が5割を超え、子どもの虫歯も減ったように口腔内の健康意識が高まる一方、口腔崩壊の状況を私たちはまだまだ目の当たりにしています。「いのちの危険」に直接関係のないと思われがちな歯科は経済的な理由だけに留まらず過酷な労働状態や家庭環境などの社会的困難、生きづらさを理由に後回しにされます。口腔内に現れる「社会的困難」の実態は、医療機関だけでは解決できない社会的な問題であり、自己責任という視点ではなく、社会全体を改善させていくことが大切です。
 近年、歯科医療は全身疾患との関連や生活の質の改善にも深く関わっていることが明らかにされています。窓口負担の軽減と予防を同時に行うことが重症者を減らし医療費全体の削減にも繋がります。日本の医療・介護・社会保障制度が基本的人権に基づいた「いつでも、どこでも、誰もが」安心して受けられ「健康」を支えるもの、「その人らしい人生を送る基盤」となるものに整備されるよう、「保険で良い歯科医療を」を含むあらゆる社会保障の充実を社会に訴えます。

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2018年4月1日の所長あいさつ

4月になり、入社等で新しい生活が始まる方も多いと思います。
新しい年度になり、お正月に続いて気持ちを新たにする機会です。今年は、いつまでも寒い日が続いている感じでしたが、3月の後半からいきなり暖かくなり桜の咲くのも散るのも早かったですね。
年度の始まりに少し長くなりますが歯と身体の健康を守る10か条をご紹介いたします。
すでに御存知の内容ばかりかと思いますが歯と身体の健康を振り返る参考にしていただければ幸いです。

@健康管理に気を配る
 喫煙や深酒、食べ過ぎや無理なダイエット、過労などは全身の抵抗力を低下させます。糖尿病、肝機能障害や消化不良などによる栄養の偏り、ビタミンや蛋白質不足など、感染に対する抵抗力の低下は歯科疾患をも悪化させやすいです。
歯は健康のためにあり、健康によいことが歯にもよいことをお忘れなく。
A1日に30種類以上の食品を、1口30回以上咬んでください。
 蛋白質の欠乏は、抗体産生、毒素にたいする抵抗力、白血球の活性、副腎皮質の作用などをも減弱させます。また、単一の食品に偏ることは生活習慣病の危険性を増すことになります。よく咬むことが歯と身体を丈夫にする秘訣です。
B野菜や硬い食品は顎を鍛え、歯肉のマッサージにもなります。また野菜の繊維は便通を促し、発がんを抑制するほか、ビタミンを豊富に含み歯周病の予防にも。干し魚は重要なビタミン、カルシウム源でもあります。
C清涼飲料は避け、飲み物には砂糖を入れない
 糖分は歯だけでなく、歯肉の劣化を速める。さらに貧血、精神的な不安定、骨折などの弊害をもたらしやすいです。また、糖尿病は身体の抵抗力を奪い、感染しやすくなり、歯周病をも悪化させやすくなります。
D食事は薄味で、簡易食品はできるだけ避ける
 濃い味で米穀類に偏ることはエネルギーの過剰摂取、肥満や糖尿病に結び付くほか、容易に満腹感をもたらし蛋白質やビタミンの欠如をもたらします。塩分の摂りすぎは循環器疾患、ガンの危険を増します。
E食後は必ず口の中の食べカスを除く
  口の中、歯の間などに残っている食べカスは歯垢の素となるので、食後にできるだけ早くとり除く。必ずしも洗面所で漱いだり吐き出す必要はない。食事中はお茶や水をあまり飲まずに食物をよく噛み、食事の最後にお茶かお水で口の中、歯と歯の間をよく漱いで飲み込むのが最も合理的です。
F年齢や歯の状態に応じた歯ブラシを選ぶ
 歯間部と歯周ポケットなど、成人と中高年に特有の『危険領域』を清掃するには、毛束が少なく、歯間部に挿入して食べカスや汚れを除去できるブラシを選びましょう。歯間ブラシはキャップをつけて持ち歩き、毎食後に爪楊枝代わりに使うことが望ましいです。朝の歯磨きも、食事の後にしましょう。歯ブラシが長持ちする人は歯が長持ちしないとも言えます。
G歯磨きのポイント
 歯と歯の間にブラシの毛先を挿入し、押し出すように磨けば他の部分も自然に磨けます。力を入れすぎないようにし、小刻みにブラシを動かします。磨き残しやすい右上の頬に接する部分から始め、上顎前歯部から左上へ、左下から前、右下へ、次に舌に面した歯の裏側を逆の順番に右下、左下、左上、右上へと戻る。それぞれの部分は10〜20回磨く。これを時間のある限り数回続けましょう。テレビを見ながら、風呂につかりながら、あるいは新聞を見ながら行うように習慣化します。15分〜30分かけて磨くようにします。
歯磨剤を使用する場合は、ブラシだけで磨いた後に、グリーンピース大ほどをブラシの先につけ、歯間部へ擦り込むように磨く。歯磨剤を使用した後は、ブラシを水で漱ぎながら歯磨剤とその泡を歯間部から洗い流す。歯磨剤は、フッ素入りを使うのがよいです。
H40歳からは定期的な歯科受診を
 自覚が少ないまま進行する歯周病になりやすい年代からは、かかりつけの歯科医院を持ち、年に1度は診査を受ける。歯周病のある場合や60歳以降は、歯を失わないために定期的に受診して清掃、予防処置を受けることが必要です。
I異常や疑問を感じたら、まず受診する
 歯科疾患は自然に治ることはほとんどありません。治療を受けることが進行を止める唯一の方法である。水がしみる。咬むと痛い、歯が動く、食べ物がつまるなどの症状があれば、必ず何かの歯科疾患があります。早期受診が早期治療の条件です。それはどの疾患についてもいえることです。

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2017年度もたいへんお世話になりました。

 生協王子歯科は、一般の会社と同じく、3月31日まで2017年度という事業年度になります。いわば、「第2の大みそか」のようなものです。2017年度は、組合員の皆様、地域の皆様に変わらぬ御支持・御支援をいただきありがとうございました。2018年度も、生協王子歯科職員一同は、地域の皆様の健康を守るために頑張りますので、よろしくお願いいたします。
 2018年度は、4月1日より、2年ぶりに診療報酬が改定されます。診療報酬は、「医師の報酬」と誤解されがちですが、そうではなく、保険診療の医療行為を行うために要するすべての費用を賄うために、国がその医療行為ごとの対価を設定しているもので、医療従事者の賃金、医療材料費、医療機器の購入・修理費、光熱費や家賃などの設備運営費、検査費用、入れ歯や冠の製作費など、とにかく全ての費用を診療報酬で賄います。
 今回、歯科では、0.69%の引き上げとなりましたが、歯科医療崩壊といわれる状況を解消するには、全く不十分です。我々は、今後も地域の皆様とともに歯科医療をより良いものにするため、診療報酬の改善に頑張ります。
このような今年度の改定ですが、それでも今回、超高齢社会・地域包括ケアの対応に加えて、基本的な技術についての評価が、若干、引き上げられました。医科の病院診療所や介護施設との連携をさらに推進し、院内感染防止対策が講じられた歯科医療機関で安全・安心の歯科医療を受けることができることとしています。生協王子歯科は、開設当初より院内感染防止対策に努め安全・安心の歯科医療を第一としています。また、歯科においても患者様の視点から「かかりつけ医」としての役割を求めるものになっています。
 診療報酬改定のより良い部分を活用して、地域の皆様の口と歯の健康を守るために引き続き努力しますので入れ歯や歯周病でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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血圧と歯科治療

早いものでもう2月です。2月は一年のうちで最も寒い季節となります。暦の上では2月4日が立春で2月は春ですが、

立春のその後の寒さ言ひ合へる

という句にあるように、実際には寒い日が続く月です。インフルエンザの流行や、花粉症の方にとってはいよいよシーズンに突入、どうぞお体を大切になさってください。
寒くなると血圧が高くなりやすくなります。そして、国民の4人に1人、3500万人が高血圧症と言われています。この高血圧が歯科治療と重要な関係があります。血圧とは、心臓が血液を全身に送り届ける時に血管にかかる圧力のことです。そして、心臓が収縮して圧力が強くなっている時の血圧を最高血圧といい拡張して圧力が弱くなっている時の血圧を最低血圧といいます。日本高血圧学会ガイドラインにより、最高血圧140mmHg、最低血圧90mmHg以上では治療が必要とされています。血圧は、精神的な緊張や気温などで簡単に変化します。歯科治療時は診療室に入ったり、診察台に座ったりするとそのトレスで血圧が10〜20o/Hg上がると言われています。また、高血圧症の方が歯科治療を受ける場合に問題となるのが麻酔と抜歯です。麻酔薬の中には血管収縮剤という成が含まれており、これにより血圧が上昇します。しかし、処方された薬で血圧がコントロールされている場合は心配ありません。また、抜歯の後、出血がなかなか止まらない可能性もありま。血圧が高いと出血する圧力も高いため、抜歯のストレスなどによってさらに血圧が上昇し、出血量が多くなることがあります。

さらに、高血圧とは診断されていない普通の血圧の方でも、注意すべきことがあります。最近、「血圧サージ」が注目されています。これは、緊張などで血圧が高波のように急に上がることで、最高血圧130前後の普通の血圧の人でも200ぐらいに上がると言われており、これがしばしばあると血管が破裂し、脳出血や心筋梗塞を引き起こすことがあります。

生協王子歯科では、これまでも特にリスクがあると判断される場合は、治療前に血圧を測定してきましたが、血圧サージも考慮して、今後すべての患者さんに治療前に血圧を測定していただくこととしました。

なにとぞ、ご理解、ご協力をお願いいたします。

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2018年新年のあいさつ

 生協王子歯科所長の前田です。
 明けましておめでとうございます。
 組合員、地域の皆様には、昨年も大変お世話になりました。今年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。
 お正月はお笑い番組がたくさんありますが、皆さんは、昨年12月17日に放送された「THE MANZAI」でのウーマンラッシュアワーの漫才をご覧になりましたか。この漫才が、この間大きな話題となりました。内容を簡単にご紹介いたしますと、コンビの一人村本さんの故郷の福井県を自虐的に取り上げ、原発が集中しているにもかかわらず、おおい町では午後7時に町中が暗くなるとし、「電気はどこへゆく!」と皮肉りました。沖縄の基地問題では米軍への「思いやり予算」に触れ、「アメリカに思いやりを持つ前に」「沖縄に思いやりを持て」、「楽しいことは国民全体で」、「面倒なことは沖縄に」と掛け合いました。地震があった熊本や東北で仮設住宅に暮らす人はいまだに多いとし、東京五輪に向け「豪華な競技場建てる前に」「被災地に家を建てろ」、「みんな自分の家で五輪を楽しみたいんだ」。最後は、こうした問題をあらためて並べた上で「本当に危機を感じないといけないのは」「国民の意識の低さ!」と締めくくりました。去り際には「お前たちのことだ!」とカメラに向かって指までさしました。私も自分と家族の生活を最も大切にしたいという思いがあり、これは当たり前のことだと思うのですが、村本さんの最後の一言にドキリとしました。私たちが、沖縄や被災地のことを忘れる時、私たちが大切にしたい自分の生活も守れなくなるということを改めて思い返しました。

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